【宝塚記念】キングダム52秒3「晴れなら本命」

[ 2011年6月23日 06:00 ]

キラウエア(左)と併せて坂路で追い切ったローズキングダム

 宝塚記念の追い切りが美浦、栗東両トレセンで行われた。昨年、3歳でジャパンCを制したローズキングダムは2週連続でウィリアムズ騎手が手綱を取り、抜群の伸び。G1・3勝目へ視界は良好だ。

 ローズキングダムの追い切りは坂路の併せ馬。キラウエア(4歳1000万)を前に置く形で徐々に加速していく。パートナーに残り1F手前で並びかけると、最後も真っすぐに伸び切って1馬身先着。4F52秒3~1F12秒9をマークした。

 「先週(坂路4F53秒1)も伸びは良かったけど、少しバタバタしてから伸びた。きょうはギアチェンジがスムーズ。特に(坂路の)カーブしたところからスムーズに加速していった」。早口の英語で感触を報告するウィリアムズ。通訳に耳を傾ける橋口師は小さくうなずくと満足そうな表情を浮かべた。

 ウィリアムズが志願して2週続けて調教に乗った時は要注意だ。完璧な結末に導いたNHKマイルCのグランプリボスの時もそうだった。確かにあの時も、勝利インタビューで2週続けて追い切りに乗ったことを勝因に挙げていた。鞍上が強調するスムーズな加速、とはキリッと好タイムでまとめた全体4Fの中での体感。「右にもたれる面もチェックしたが大丈夫。心配ないね」と自信ありげの笑みを浮かべた。

 ただ、大きな問題もある。折しも梅雨時。切れ味を削がれる道悪馬場になった時は評価を下げる必要がある。「晴れなら本命!雨が降ったら無印!どうだ、単純明快だろ」。橋口師は週末の天気がよほど気になるとあってか、携帯電話で予報(曇時々雨)を見て、こう明かしていた。

 ローズキングダムは朝日杯2歳Sを小牧で圧勝した。ジャパンCは武豊を背に直線の不利をリカバリーしてVを引き寄せた。新コンビのウィリアムズがどう導くか興味深い。雨に泣くのか、梅雨の晴れ間に笑うのか。目まぐるしく変わる天気予報に橋口師は気をもむ日々が続く。

 ≪10度目の挑戦≫ローズキングダムが勝てば一昨年の朝日杯FS、昨年のジャパンCに続いて3度目のG1制覇。橋口師にとっては宝塚記念初勝利となる。このレースは過去9戦して2着3回、3着1回という成績。10度目の挑戦で今年こその構えだ。

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2011年6月23日のニュース