【高松宮記念】フォワード“見せムチ”で12秒2

[ 2011年3月25日 06:00 ]

岩田騎手を背に坂路を駆け上がるエーシンフォワード

 東日本大震災による日程変更で、今週の栗東トレセンは全休日が通常の月曜から火曜に。高松宮記念に出走する全ての関西馬が木曜追いとなった。昨年のマイルCSでG1初制覇を飾ったエーシンフォワードは坂路で追い切られ、鋭い伸びを披露して好調をアピールした。

【高松宮記念 追い切り】

 坂路に敷き詰められたウッドチップを蹴り上げながら、エーシンフォワードが迫力あふれる脚さばきで駆け上がった。主戦・岩田を背に前半2Fは制御の利いた走りで1F14秒3―13秒6でクリア。十分な助走を取って後半2Fに突入。手綱を軽くしごいて気合をつけると12秒4まで急加速。残り1F、岩田が左手に持っていたステッキを抜く。いわゆる“見せムチ”だが、馬体に直接触れなくても十分なGOサイン。さらに馬体を沈み込ませ12秒2でフィニッシュした。

 「先週目いっぱいやっているし反応を見るだけでいいという指示だったが、その通りの調教。反応も良かったし申し分ない動きだった。とにかく馬は元気いっぱい」。体全体で感じた好感触に、岩田の表情も明るい。昨年暮れの香港遠征(香港マイル4着)から、ぶっつけ本番になるが不安は皆無。鞍上はさらに力強く続けた。「成長も感じるし休んだことでリフレッシュしていい状態。変わりなく乗りやすいのが何より」

 昨年は優勝したキンシャサノキセキから鼻+首差という3着惜敗。マイルCSを制し今年はG1馬として雪辱を期す。「早いもので、あれから1年たつんだね」と切り出した西園師。「この1年で馬が随分と力をつけてくれた。マイルCSは岩田君の好騎乗もあったけど、香港で世界の一流マイラーと互角に走ってくれたのは自信になった。馬の力を信じたい。動ける態勢に仕上げたので、あとはジョッキーに任せる」と言い切った。

 全権委任を受けた岩田にとっても思い入れの深い1頭。昨年9月の札幌で落馬。右足首などを骨折し、2カ月の休養を余儀なくされたが「復帰してすぐにG1を勝たせてもらった馬で、凄くうれしかった」と振り返る。「ここでも勝てるだけの力がある馬。阪神も合うしロスなく回って直線に向けば、いいレースになる」と自分自身を鼓舞して臨む一戦。2つ目のビッグタイトルへ、フォワード岩田の放つ強烈シュートが、ゴールに突き刺さるか。

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2011年3月25日のニュース