【AJC杯】ネヴァブション3連覇へ豪快デモ

[ 2011年1月20日 06:00 ]

ダートコースで追い切るネヴァブション

 「第52回AJC杯」の追い切りが19日、美浦、栗東トレセンで行われた。3連覇を目指すネヴァブションが美浦北Cコースで素晴らしい動きを披露した。伊藤正徳調教師(62)は08年エアシェイディでの優勝を含め、このレース3連勝中。52年ぶりとなる平地重賞4連覇へ王手をかけた。

【AJC杯


 いざ大記録へ。マイナス3度にまで冷え込んだ極寒の中、ネヴァブションの周りだけは熱気を帯びていた。主戦・後藤が当然のように自ら乗り、右目の外側だけに普段着けてない白のチークピーシズ(横や後方の視覚を遮断する馬具)を装着。角馬場で入念に体をほぐすと、右回りの北Cコース(ダート)でスタンド前からピッチを上げた。そのまま1周で6F80秒6。手綱を抑えたままで豪快な脚さばき。馬道出口で待つ30人近い報道陣に目もくれず、堂々と引き揚げた。

 近走の違和感を払しょくしたい。後藤が乗った理由は1点に集約されていた。「行き出してからの脚はしっかりしているし衰えは感じない。ただ、右回りは内にササる癖が昔からあったけど、ここ2戦は…。きょうもササったのは少し気になる。角馬場の段階で、競馬で言うと3~4コーナーの辺りで尻っぱねしたり。チークピーシズより、視野が狭まるブリンカー着用も考えた方がいいかも…。その辺は先生(伊藤正師)も考えてくれると思う」

 愛弟子のジャッジに呼応するように、指揮官も模索を続けていた。「右側だけチークを着けたのは右にもたれる面があるので。動き自体は悪いと思わない。最高に仕上げたジャパンCが除外になった分、メンタル面であの時に戻るか。気持ちの問題。ブリンカー?もちろん考えてます」と師も最善策を探している。

 勝てば史上5頭目の平地重賞3連覇。08年エアシェイディでも勝っている伊藤正師には、尾形藤吉師(54~57年、中山金杯)に次ぐ史上2人目の同一平地重賞4連覇の偉業も懸かる。

 「レース条件に合った馬がいて、馬が頑張ってくれた結果。僕自身にはあまり関係ない話」と平静を装う師以上に熱い思いを託すのは愛弟子の方か。09年は中山金杯5着、昨年は有馬記念12着から激変V。「記録は確かに意識してます。馬は苦しい部分もあるかもしれないが何とか頑張ってほしい」。昨年は有馬記念8着以外、掲示板を外さず頑張った底力に後藤は託していた。

 ≪相性抜群≫AJC杯は伊藤正師&後藤の師弟にとって、相性抜群の重賞。伊藤正師のAJC杯成績は【3303】で連対率67%。98年マイネルブリッジ2着、05年エアシェイディ2着に続き、現在3連覇で“出走機会5連続連対中”だ。後藤は延べ12頭に騎乗して【1416】で連対率42%。伊藤正師の管理馬エアシェイディで05年2着、08年優勝、09年2着と好成績を残し、記録達成の期待が高まる。

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