【京成杯】ジャービス抜群伸び!「上等だな」

[ 2011年1月13日 06:00 ]

ミルクマン(左)と併せて坂路で追い切るジャービス

 今週の中山メーンは「第51回京成杯」。変則3日間開催の影響で全休日明けの12日は追い切りを行わない陣営が多かったが、ジャービスは坂路で抜群の伸びを披露。10日のフェアリーSを制した僚馬ダンスファンタジアに続くべく、態勢を整えた。

 坂路下のモニターで愛馬の動きを見守る藤沢和師が一瞬、眉をひそめた。「速すぎないか?」。ジャービスは横山典を背に、ミルクマン(4歳500万)を0秒3追走。気分よく飛ばすパートナーを追いかけ、軽快なラップを刻んでいく。

 8日に坂路で4F52秒4と速い時計を出したばかり。オーバーワークを心配していたが、それは杞憂(きゆう)に終わった。最後まで脚色は鈍ることなく、4F51秒5~1F12秒2で併入。しまいの脚を見届けた師は「馬なりでこれだけ来るんだから上等だな」と一転して目尻を下げた。

 デビュー3戦の最終追い切りもすべて坂路。新馬デビュー時に既に4F50秒3と破格の時計を出してはいたが、ラスト1Fはそれぞれ13秒0、12秒8、13秒0止まりだった。末脚の強化は確かな成長の証。師は「これまではレース後に疲れが出たりしていたが、この中間は順調。使うたびに良くなってきているね」と満足げに話した。

 未勝利勝ちしたばかりでの重賞挑戦。デビュー2戦目、鼻差で敗れたスマートロビンなどライバルはてごわいが「再戦?いいね」と余裕の表情だ。ここ2戦はハナに立っているが「逃げなくてもいいけど、行けちゃうんじゃないの」とスピードの違いで逃げる形になっていることを強調。「前走は初めての中山コースだったけど、上手な競馬で強い内容だった」と未勝利Vのレースぶりを評価した。

 数々の栄光を手にしてきた藤沢和師も、これまでダービー2着2回が最高。まだ牡馬クラシックは勝っていない。09年9月にJRA通算1000勝を達成した際にも「そろそろ牡馬のクラシックを」と意欲を示していた。ジャービスは「あしながおじさん」の登場人物の名前。息の長い末脚でライバル馬を封じ込め、クラシック戦線の主役候補に名乗りを上げるか。

 ≪“時流”に乗るか≫ジャービスを所有する山本英俊氏と藤沢和師のコンビはサッカーW杯イヤーの昨年、伝説のサッカー選手マラドーナにちなんだ馬名のペルーサでG1戦線を沸かせた。同じコンビで、獲得した賞金の大半を寄付してきたタイガーマスクは6日付で競走馬登録を抹消したが「あしながおじさん」に由来する馬名のジャービスが“時流”に乗って飛躍を遂げるか。

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