【朝日杯FS】リアルインパクト“ベリー”グッド!

[ 2010年12月17日 06:00 ]

リアルインパクトの追い切りに騎乗したベリー騎手

 今年の2歳牡馬チャンピオンを決定する「第62回朝日杯FS」のメンバー16頭が16日、確定した。同日、美浦トレセンで行われた木曜追いではディープインパクト産駒のリアルインパクトが初来日のベリー騎手を背に坂路で力強い動きを披露。産駒初のG1制覇へ万全の状態で臨む。なお枠順は17日に決まる。

 リアルインパクトの追い切りには初来日となるベリーが駆けつけて手綱を取った。坂路でグァンタナメラ(3歳500万)と併せ馬。僚馬を2馬身追走し、楽に並びかける。馬なりのままラスト2Fは12秒2~12秒4と切れのある動きで半馬身先着した(全体時計は4F52秒6)。日本で初めての調教を終えた名手はその感触をユーモアたっぷりに表現した。
 「ベリーグッド!前の馬を追いかけるときもゆったりリラックスしていた。指示を出したらスーッと反応してくれたよ。最後も無理なくフィニッシュできたし、週末が楽しみになったね」
 8月の英国・アスコット競馬場で行われた世界騎手対抗戦のシャーガーカップで最多ポイント獲得騎手に輝いた29歳は「日本のG1レースは向こうでも見られるからね。いいイメージを持っている。自分の経験を積む意味でもいいチャンス」と抱負を語った。
 コンビを組むパートナーはデビュー2戦で強烈なインパクトを放っている。馬なりで3馬身差の快勝だったデビュー戦。前走・京王杯は出遅れながらも直線で猛追して3/4馬身まで迫って2着。2戦の上がり3Fは33秒4、33秒5をマーク。父譲りの非凡な瞬発力が最大の武器だ。
 その父ディープインパクトはJRA2歳リーディングサイヤー部門のトップ(37勝)を独走中。産駒初のG1制覇の期待が懸かる。「凱旋門賞の走りを見て印象に残っている。初年度産駒が活躍しているのも知っているし、その産駒に乗れて楽しみだね」と本番を待ち望んでいた。
 舞台はトリッキーな中山1マイル戦。最初のコーナーまでの距離が短いため枠順や位置取りに大きく左右される。「難しいコースだと聞いているので、VTRを見て研究したい。土曜は実際にコースを見て勉強するよ」と熱心な姿勢を貫く。世界の名手との融合が成功したとき“本当の衝撃”を見せつけてくれるに違いない。

 ◆フランシス・マーティン・ベリー 1981年1月2日生まれの29歳。アイルランド出身。父は障害騎手として10度のチャンピオン・ジョッキーとなったフランシス(通称フランク)。15歳の時、当時調教師に転身していた父の後押しもあって騎手デビュー。今季はアガ・カーン殿下の主戦としてオックス厩舎の馬を中心に騎乗。昨年末に引退したマイケル・キネーンの後継者と目されている。愛GI・ナショナルSをパスフォークで制するなど活躍を見せた。愛リーディングで08年は2位(85勝)、09年は3位(73勝)、今年は2位(88勝)。愛国に移籍したポップロックにも騎乗した。

続きを表示

2010年12月17日のニュース