【スプリンターズS】バーディー決戦舞台で躍動13秒3

[ 2010年9月30日 06:00 ]

追い切りを終えたグリーンバーディーをなでるキャスパー・ファウンズ調教師

 秋のG1開幕戦「第44回スプリンターズS」の最終追いが29日、行われた。中山に滞在中の香港の強豪グリーンバーディーは前日に来日したキャスパー・ファウンズ師(42)が見守る中、決戦舞台の芝コースを快走。来日初戦のセントウルS(2着)を叩き、出来はさらにアップ。2度目の国際G1制覇に王手だ。日本勢ではG1初優勝に燃えるビービーガルダン、スプリンターズS連覇に挑むローレルゲレイロが好ムード。

【スプリンターズS
追い切り
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 この本気度が怖い!!香港の刺客グリーンバーディーに、来日したばかりのファウンズ師がピッタリと寄り添い、一緒に中山競馬場の芝コースへ。ゴール過ぎの1コーナー手前で仁王立ちする師の前から発進した。向正面で自然とペースを上げると直線は外へ。手綱を抑えたまま、4F56秒0~1F13秒3。連日の雨をたっぷり吸った馬場を楽しむようにリズミカルに駆け抜けた。
 至近距離でその鼓動を感じ取った指揮官は思わずニッコリ。「ベリー・ハッピー!!満足だ。もう強く追う必要もないので馬なりにしたが、馬がどんどん進んでくれたよ。中山の芝ともフィットしていたね」
 セントウルS(2着)は3F33秒4の鬼脚でごぼう抜き。香港―成田―競馬学校(千葉県白井)―阪神の4段輸送に加え、酷暑にも耐えて国際G1馬の底力を見せつけた。15日に早々と中山へ移動し、体調は当然アップ。レース後に478キロまで減った体は現在488キロに増えた。「阪神―中山の輸送は約10時間かかったけど、体も増えて良くなった。前走は59キロを考えればいい競馬だった。この馬は少し後ろに位置して、直線で脚を伸ばすのがパターン。内で折り合ってジョッキー(デュプレシス)もうまく乗ってくれた」と師は収穫を得ている。
 前走後、師は香港―日本を何度も往復し、状態をチェックしている。週中は中山、レースがある週末は香港へ。10月1日は中国の建国記念日「国慶節」。香港も祝日で競馬開催があるため、追い切り後はとんぼ返りの強行軍。「何よりも自分の目を信じている。毎週中山で見ているが今が最高のコンディション」と満足そうだ。
 今年から国際G1に昇格した5月クリスフライヤー国際S(シンガポール)を強烈な末脚でG1初制覇。暮れに4年連続挑戦となる大目標の香港スプリントも待っている。さらなるハクを付けて凱旋が本音だ。「シンガポールの時はソフトな馬場だったし、天気は問わない馬。中山の坂はハードだけど、やや後方のいいポジションを取れれば。理想は3~6番あたり」。決戦舞台も自らの目で確かめた指揮官は、早くも鬼脚爆発の青写真を描いていた。

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2010年9月30日のニュース