【フローラS】ミリオン朝モヤ切り裂き“樫”一直線

[ 2010年4月22日 06:00 ]

馬場入りするサンテミリオン

 春の東京開幕を告げる「第45回フローラS」(オークスTR=上位3頭が優先出走権)の最終追いが21日、行われた。モヤが立ち込めた美浦ではフラワーC3着のサンテミリオンが上々の動き。初タイトル奪取で打倒アパパネに名乗りを上げる。

 開門直後、コース一面に霧が立ち込める中、サンテミリオンがコースへ飛び出していった。所々しか動きを視認できない記者陣に対して手綱を取った土谷(レースは横山典)が、動きを説明するように好感触を伝えてきた。
 「Wコースでコウヨウサンデー(4歳500万)と併せ馬。3馬身追走して馬なりのまま楽に併入した。時計は5F67秒ぐらい。気になるところもなく順調です。合図を出せば動く、素直な馬。反応も良かった」
 新馬→若竹賞を牡馬相手に完勝し挑んだ前走・フラワーCは単勝1・6倍の圧倒的支持。だが、スタートで後手を踏み、うまく流れに乗れず3着に敗れてしまった。前走の最終追いはWコースで5F63秒6の猛時計をマーク。2戦続けてマイナス体重での出走となったのも少なからず影響したはず。「前走は時計を出し過ぎたので、オーバーワークにならないようにとの指示だった。体は成長してますよ」と土谷もしっかりケアをした。
 古賀慎師は自信を持って送り出す。「ここまでコンスタントに時計は出している。もう速い時計は必要ない。牝馬にしては飼い葉も食べてるし調整に手がかからない馬。課題のゲートも時間があったのでしっかりと練習できた」
 舞台は府中の芝2000メートル。ここまで3戦はすべて中山コース。師は「競馬センスのある馬だし広いコースも大丈夫。開幕週のいい馬場状態でレースできるのもいいね」と不安はない。この時季の牝馬で中距離戦を経験しているのも大きな強みだ。「もともと走り方や雰囲気からオークス向きだと思っていた。しっかりと次につながる競馬をしたい」。指揮官の目に一点の曇りもない。見据える先は樫の舞台。女王アパパネを脅かす、もう1頭の関東馬の走りに注目だ。

 <「感じ」も戦績も父譲り>横山典が「お父さん(ゼンノロブロイ)に感じがそっくり」と評価するサンテミリオンだが、その戦績も父譲り。父は3戦して2勝3着1回の戦績で挑んだダービートライアル・青葉賞を制してダービーへ駒を進めた。ここまで3戦して2勝3着1回のサンテミリオンもトライアルを制して、樫の舞台へ出走できるか注目だ。

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2010年4月22日のニュース