【高松宮記念】1着キンシャサノキセキ

[ 2010年3月29日 06:00 ]

<中京11R・高松宮記念>キンシャサノキセキ(右)がビービーガルダン(左)の追撃をかわし勝利

 改修前の中京競馬場のラストG1「第40回高松宮記念」が28日、行われた。1番人気キンシャサノキセキが直線で早めに抜け出し、後続の追撃を振り切って悲願のG1タイトルをゲットした。管理する堀師も27度目の挑戦でG1初勝利と、人馬ともに待ちに待った栄光を手にした。2着ビービーガルダンは昨年のスプリンターズSに続く悔しい鼻差負けとなった。

 7度目の挑戦。絶好位から抜け出したキンシャサノキセキに悲願のG1ゴールが見えてきた。だが、その時だ。外から猛然とビービーガルダンが迫った。激しい叩き合い。2度あるG1・2着の悪夢もよぎったが、人馬一体となって鼻差振り切り、最後は執念でタイトルをもぎ取った。
 前半3F33秒5。逃げ馬が果敢に飛ばし、隊列は縦長。中団より前めのインをキープ。徐々にポジションを上げ、直線に向いて一気に追い出した。最後はガルダンと写真判定になったが、検量室前に引き揚げてきた四位は1着だと知らされ、馬上でバンザーイのポーズ。「安藤さんの方が脚色が良かったので、中京の短い直線がとても長く感じた。スタートをちゃんと出たので、ある程度の位置を取れた。手応えが良く、うまいこといきすぎて最後は脚があがった。それでも最後までよくしのいでくれた。馬に感謝したい」とパートナーに賛辞を送った。
 会心のレースを見届けた堀師も「素直にうれしいです。抜け出すのがちょっと早いかなとも思ったが…。ゴール前の着差はわずかだったが、安心して見ていた」と愛馬の成長に目を細めた。
 南半球の豪州産で日本産馬より生まれが半年遅い。それでも2歳12月のデビュー戦で、いきなり初勝利を飾ったように秘めた能力は相当なもの。だが「能力はあったけど、気持ちと体のバランスが悪かった」(堀師)とポテンシャルを発揮できずにいた。それが今年になって、激しい気性を切れ味鋭い末脚に転化できるようになったのが最大の勝因だ。
 やんちゃ坊主が従順な大人に成長。心身ともに完成期を迎えた。今後について、堀師は「まず馬の状態を見て。オーナーと相談して決めたいと思う」としたが、短距離界のエースになることは間違いない。ようやくビッグタイトルを手にした異色の7歳馬キンシャサの連続KO劇は、まだまだ続きそうだ。(坂田 高浩)

 ☆キンシャサノキセキ 父フジキセキ 母ケルトシャーン(母の父プレザントコロニー)牡7歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・豪国アローリーヴ社 戦績26戦10勝 総獲得賞金5億6044万8000円。

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2010年3月29日のニュース