【JCダート】ヴァーミリアン数字“並”も陣営は平然

[ 2009年12月3日 06:00 ]

しつかりと追われたヴァーミリアン

 ヴァーミリアンが「獲得賞金10億円ホース」の輝きを調教でも見せられたか?と言えば、答えはノー。輝くのは本番でこそなのだ。

 石坂師は平然とした表情で「いつものヴァーミリアンだなと思ったよ。順調。変わりない」。武豊も「調教は相変わらず動かないなと思って後ろをチラチラ見ていた」と笑った。
 坂路単走での追い切り。ヴァーミリアンのすぐ目の前で武豊は同馬の弟(新馬ソリタリーキング)の追い切りにまたがっていた。道中でヴァーミリアンの蹄音を耳にして「邪魔したらいけないと後ろを振り返った」という。それでも、詰め寄られることなくフィニッシュ。仕上げ人・久保助手がヴァーミリアンの手綱をいっぱいにしごいて4F53秒6。数字的に言えば並。それでも隠れた味付けがあった。「前に2頭を置く感じでやったのは意図したもの。ああやるとテンに折り合っていいフォームで走れるから」。石坂師は走りにリズミカルさを求めたと説明した。
 東京で開催された07年のこのレースの覇者。連覇を狙った昨年は他馬と接触して後方に下がる不利もあり3着に終わっているが、主戦の武豊は2週間前に負った骨折のため、馬の上ではなく阪神競馬場のスタンドからの応援観戦だった。
 「昨年は直前でケガをして関係者に迷惑をかけた。隔年?1年置いて同じG1を勝つのは確かに難しいこと。でも、長くコンビを組んでこの馬の良さを分かっている立場だからね」
 メキメキと頭角を現してきたライバル勢。特に若い世代の追い上げは急だ。その相手関係には一切、関心を示さなかったのが石坂師。新旧交代を許さじ!ダートG18勝、絶対王者のヴァーミリアンが立ちはだかる。

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2009年12月3日のニュース