【JCダート】アキュート馬体戻った!地元で変幻自在だ

[ 2009年12月3日 06:00 ]

併せ馬で鞍上のムチにこたえ追い切るワンダーアキュート(右)

 JCダートの最終追い切り。粒ぞろいの3歳勢ではワンダーアキュートに注目。追い切りの動き自体は目立たなかったが、手綱を取った主戦騎手の和田は自信満々。一気の4連勝で新ダート王に輝くか。古馬ではダートG1・8勝馬ヴァーミリアンが貫禄の気配。9つ目のタイトル獲得をしっかり視野に入れている。JCダートの枠順は3日に確定する。

 強力な現3歳のダート勢の中で、最も勢いを感じさせるのがワンダーアキュート。兄弟対決となる兄ワンダースピードもダート重賞4勝の猛者だが、弟も期待通りに成長を遂げてきた。この秋は破竹の3連勝。重賞のここ2戦も後続を離しての完勝だった。長くダート界をけん引してきた7歳世代を筆頭に古馬陣の層は厚いが、それをぶち破れるだけのものをこの馬は持っている。
 コンビを組む和田も手応え十分だ。「今度はG1で一線級がそろっている。力関係がどうかだけど、ここまで強い勝ち方をしているからね。本当に楽しみ」とその素質にほれ込んでいる。力強い言葉が出てきたのは最終追い切りで感触を確かめてから。そこが肝心だ。CWコースでワンダーギャルー(4歳500万)に手応えでは完全に見劣り、何とか併入。併走相手が3秒近く先行したとはいえ、見た目の印象はパッとしない。だが和田のジャッジは違う。「調教で久しぶりに乗ったけどズブさが出てきたのかな。でもレースになれば前向きだし、自由自在で動きやすい」とまるで気にする様子はない。心配無用というわけだ。
 佐藤正師は「馬なりだった先週の方が時計は速かったね」と苦笑い。それでも体調面に関して不安はない。「前走は輸送で予想以上に馬体が減った(14キロ減の488キロ)けど結果を出してくれた。もう体は506キロまで戻っている」
 春の青葉賞、前走・武蔵野Sと関東遠征はどちらも480キロ台で出走となったが、長距離輸送のないホームの関西圏で戦えるのは心強い。しかも阪神は4戦3勝と抜群に相性がいい。佐藤正師も「どこでも走ってくれると思うけど地元で走れるのはいいね。ここまで来たらG1を勝ちたいね」と期待の大きさを隠さない。脚質は自在。差し一辺倒ではなく、前走のように先手を奪う形でも戸惑わず、しっかり脚を使える。変幻自在の柔軟性が器の大きさを示している。真価を問われる大一番、大いに注目だ。

続きを表示

2009年12月3日のニュース