【天皇賞・春】２着アルナスライン

＜天皇賞・春＞マイネルキッツにクビ差まで迫ったが、わずかに届かなかったアルナスライン（右）

　あと一歩。アルナスラインは、またも淀の大舞台で小差に泣いた。１年半前の菊花賞での頭差２着に続いて今回は首差だ。

　道中は中団。うなるような馬の手応えをなだめつつ追走する。坂の下りでアサクサキングスが仕掛けるのに併せて進出を開始だ。
　「スムーズなレースができた。最後もしっかり伸びているが…」
　蛯名としてもプラン通りのレースだった。想定外はアサクサキングスの失速。当面のライバルとみていた併走相手を失い、単独で脚を伸ばす形に。インを狙っていたマイネルキッツに内をすくわれてしまった。
　さらに、レース後に右前の落鉄が判明した。落鉄がなければ、あるいは直線で馬体を併せる相手がいれば…。しかし、蛯名は尽きないタラレバは勝負のアヤとばかり、冷静に語る。
　「どこで落鉄したかは分からないが、レースではリズムに乗れていた。あれで負けたなら仕方ないかな」
　あえて蛯名は悔しさを表に出さなかった。松元茂師も「運がなかったんだよ」と口をそろえた。
　アルナスラインの悲願Ｇ１は持ち越し。次走は「オーナーと協議の上、決める」と話した同師だが、宝塚記念で悲願達成を期すつもりだ。