藤井氏 「春の盾V」産駒がスプリント部門進出

[ 2009年3月10日 06:51 ]

 【藤井正弘の血統トピック】7日のオーシャンSで重賞初制覇を果たしたアーバニティは、マンハッタンカフェの初年度産駒。マンハッタンカフェといえば、菊花賞、有馬記念、天皇賞・春を制した近年最強クラスのステイヤーである。種牡馬としては、これも7日の武庫川Sをトップハンデで完勝したヒカルオオゾラや、エルフィンS勝ちのレッドディザイアといった瞬発型のマイラーも出しているとはいえ、さすがにスプリント部門への進出まではイメージできなかった。なお、「春の天皇賞馬」の産駒が1200メートル以下の古馬重賞を制したのは93年、京都で行われたCBC賞をレコード勝ちしたトシグリーン(父グリーングラス)以来、史上2度目という血統的珍事だった。

 アーバニティは2歳夏のデビュー戦で重度の骨折に見舞われ、3歳競馬を棒に振っている。それでも地方競馬で再生の猶予期間が与えられたのは、98年の2歳女王スティンガーの半弟という血統価値を惜しまれたからだろう。
 82年生まれの母レガシーオブストレングスは、他にもスティンガーの全姉にあたるサイレントハピネス(ローズS、4歳牝馬特別)やダイイチフローネ(4勝、菊花賞2着のフローテーションの母)を産んだ名繁殖牝馬。この母が22歳の時に出産した最後の子がアーバニティだった。ちなみにこれは、オカノブルー(小倉大賞典勝ちのマイネルブラウの母)に並ぶ、重賞ウイナーの最高齢出産記録でもある。
(サラブレッド血統センター)

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2009年3月10日のニュース