逃さず仕留めたワンダースピード/平安S

[ 2009年1月26日 06:00 ]

<平安S>接戦を制し1着となったワンダースピード

 京都で行われたダート重賞「第16回平安S」は3番人気ワンダースピードが差し切って優勝、エスポワールシチーの快進撃を「4」でストップさせた。

 直線はワンダースピードとエスポワールシチーの一騎打ち。激しい叩き合いの末、着差はクビ。激戦を制したワンダースピードの小牧は静かにレースを振り返った。
 「後ろは気にならなかった。3コーナーぐらいから逃げ馬のペースになっていたから。相手はこれしかおらんと思っていたよ」
 レース前から鞍上は、かなりの手応えをつかんでいた。「G1では発馬で後手を踏んだり、苦手の輸送競馬だったり…まともな競馬ができていない。力はヴァーミリアンあたりとも差はないと思う」と積極的に地力の高さをアピールしていた。
 とはいえ、前を行くエスポワールと3キロの重量差。不安も頭をよぎった。「一瞬、届かないかと思った。かわってくれて良かった」という狙った獲物は逃さない勝負強さ。小牧にとってみれば、パートナーの力を再認識した内容だった。
 羽月師にとっても、ここは狙っていたレースだ。輸送に難があるため、交流G1川崎記念をパス。地元のここに懸けていた。
 「追い比べになれば何とかやってくれると思っていた。うまくゲートを出て、きょうはジョッキーが上手に乗ってくれました」
 この強さを見せられては次走が気になる。しかし、フェブラリーS(2月22日、東京)は苦手の長距離輸送に加え、距離も短縮。羽月師も即断とはいかない。
 「1600メートルとなると流れも違ってくるので…。選択肢から外すことはしませんが、しばらく悩みます」
 ひとまず、輸送がなければ強い“内弁慶”が京都で実力を証明。強豪ひしめくダート界で確かな存在感を示した一戦だった。
 ▼ワンダースピード 父キンググローリアス 母ワンダーヘリテージ(母の父プレズントタップ)牡7歳 栗東・羽月厩舎所属 馬主・山本信行氏 生産者・北海道日高郡新ひだか町フクダファーム 戦績36戦10勝 総獲得賞金2億8060万8000円。

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2009年1月26日のニュース