皐月候補は ここにアーリー!!/京成杯

[ 2009年1月19日 06:00 ]

<京成杯>レースを制したアーリーロブストの本田優調教師(左)と福永祐一騎手

 3連勝で新星が誕生した。クラシックを占う「第49回京成杯」が中山競馬場で行われ、2番人気アーリーロブストが2番手追走から直線で抜け出し、3連勝で初重賞を手にした。管理する3年目の本田優師(50)は平地重賞初制覇。福永祐一騎手(32)は先週のフェアリーS(ジェルミナル)に続く2週連続重賞勝ちとなった。

【レース結果
GIパネル


 これぞ福永劇場。スタートからゴールまでアーリーロブストはすべてが思い通りに運んでいった。好スタートからハナをうかがう構え。だがモエレビクトリーが先手を主張すると、サッと引いて2番手で折り合った。直線では坂で逃げ馬をかわし、ナカヤマフェスタの強襲を首差抑えて楽々ゴール。教科書通りのスマートな勝ち方で3連勝、重賞初Vを手にした。
 「1頭(モエレ)来たが想定の範囲内。イメージ通りのいい競馬ができた。完成度が高くて乗りやすい。そのアドバンテージを存分に生かせた」
 福永の戦略眼がものを言った1勝だ。エリカ賞快勝後、ラジオNIKKEI杯2歳S出走を視野に入れた陣営に福永は直訴した。「京成杯の方が相手関係は楽。中山なら立ち回りひとつで勝てます」。本田師は主戦の進言を受け入れた。「提案した以上は結果を出さなければいけない。自分にプレッシャーをかけた」と福永。結果はお見事。理想的なレース運びで師に平地初重賞をプレゼントしたのだ。
 その指揮官は騎手時代と同様、クールに愛馬を出迎えた。ただ口元がどうしても緩みそうになってしまうのがほほ笑ましい。「平地初重賞?普通のレースを勝ったようなものだよ。ただ、3歳重賞に初めて出走させて勝てたことはうれしい。今回は初の長距離輸送なのに体重増(8キロ)。これなら…と思ったね」。勝負服に合わせた紫色のネクタイからも勝利への自信が見てとれた。
 「手が掛からない馬で現時点で注文はない。このままいってほしい」と称賛した本田師。来るべきクラシック戦線に向け、賞金を上積みしたことで今後のローテーションも楽になった。現状はセンスの良さが売りだが、パワーも付けるべく、じっくりと調整できる余裕が生まれた。
 「オーナーと相談だがトライアルから本番(皐月賞=4月19日、中山)かな」とプランを描いた本田師。今度姿を見せる時は、さらにひと皮むけたアーリーロブストになっているはずだ。

 ◆アーリーロブスト 父バブルガムフェロー 母クワイエットアース(母の父マゼルトリック)牡3歳 栗東・本田厩舎所属 馬主・三嶋牧場 生産者・北海道沙流郡日高町山際辰夫氏 戦績5戦3勝 総獲得賞金6061万9000円。

 ◆本田 優(ほんだ・まさる)1959年(昭34)1月4日、東京都生まれの50歳。80年栗東・星川厩舎から騎手デビュー。テイエムオーシャン、カワカミプリンセスなどとのコンビでG1・6勝を含む重賞27勝、通算757勝を挙げ、07年調教師転身。昨年の小倉サマージャンプ(J・G3)をバトルブレーヴで制した。

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2009年1月19日のニュース