G1馬プリキュア 引退撤回V/日経新春杯

[ 2009年1月19日 06:00 ]

<日経新春杯>他馬を大きく引き離して会心の勝利のテイエムプリキュア

 京都の「第56回日経新春杯」はハンデ49キロ、11番人気のテイエムプリキュアが逃げ切り大波乱となった。

 3角コーナーすぎ、テイエムプリキュアが後続を大きく引き離すと場内からは大歓声が起こった。そのどよめきは鞍上・荻野琢の耳にも届いていた。「何か後ろから来たのかと思った。とにかく必死。直線はターフビジョンも見ずに追いました。これからはもう少し余裕を持って乗るようにします」。追って追って追いまくってゴールまでリードを守り切った。作戦勝ちだった。
 「西田さん(ドリームフライト騎乗)が“ハナには行かない”と言っていた。先頭に立つとフラフラするとは聞いていたけど行くだけ行こうと決めました」
 今年の新成人。12日には兵庫県丹波市の成人式に出席し、友人たちからパワーをもらった。「みんなから“応援してる”って言われて、モチベーションが上がりました」。重賞5回目の騎乗での快勝。自らの手で記念碑を打ち立てた。
 もちろん早めスパートは陣営の指示通り。坂の下りからのスパートはハンデ50キロで3着に粘った昨年と同じ。五十嵐師は「最高の乗り方をしてくれた」とそのレース運びを絶賛した。
 プリキュアは実に3年2カ月ぶり、阪神JF以来の勝利。あの時もレース前から雨が降っていた。今回も傘の下での表彰式。時計の掛かる馬場も勝因の1つ。「パドックでも“あの時を思い出すな”と言っていたんだよ」と師から笑みがこぼれた。
 G1制覇後は結果を出せず、最近は成績も低迷。この一戦を最後に繁殖に上がる予定だった。だが五十嵐師はレース後、進退に関して明言を避けた。「表彰式で竹園オーナーからどうしましょう?と言われ…。2、3日ゆっくりしてから決めます」。とりあえず21日の退厩予定はキャンセルした。すっきり有終の美とはいかなかったが、穴党ファン垂ぜんの“大逃げ”はあと何戦か見られることになりそうだ。

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2009年1月19日のニュース