スーパー武豊!ブレイクで復活出撃/朝日杯FS

[ 2008年12月19日 06:00 ]

ユタカ復帰!調教にまたがり意欲満々の武豊

 11月23日の京都5Rで落馬、右腕の尺骨骨幹部骨折を負い、戦列を離脱していた武豊騎手(39)が、21日の朝日杯FS(ブレイクランアウト)で復帰することが決まった。18日朝、栗東トレセンで25日ぶりに馬にまたがり、騎乗に支障がないことを確認した。長ければ2カ月程度の固定が必要とされた骨折だけに、超人的な回復ぶり。朝日杯は勝ったことがない武だが、ミラクルVの予感が漂ってきた。

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 紫色のジャンパーに身を包み、骨折後初めて栗東トレセンに姿を見せた武豊。患部に黒いプロテクターを着け、左手でコーヒーを飲む様子に骨折の影響を感じさせたが、馬上では全く違和感がなかった。
 父の武邦師が用意したメイショウラッシー(4歳1000万)。笑顔でまたがると、CWコースで1F16秒程度のキャンターに入った。骨折前と寸分変わらぬ美しいフォーム。これなら大丈夫と確認したのか、4コーナー手前からは一気にスピードを上げ、3F41秒2、1F12秒9をマークした。手綱をしごいたり、ムチを放つことはなかったが、最後までフォームは乱れなかった。
 「好きに乗っていいと言われ、これなら人馬とも最後は伸ばしていいかな、と。まだ右腕に違和感は残るがレースまで3日ある。これなら競馬もいけそうだ。午後にエントリーがあれば大丈夫と思ってくれていい」。最高の笑顔で語った武豊。その後、戸田師に騎乗する旨を正式に報告し復帰が決まった。今週の騎乗は朝日杯の1鞍にとどめたが、次週は引退戦のメイショウサムソンが控える。
 超人的回復の陰には苦闘があった。医師の最初の診断は「年内は無理。来年のつもりで」。しかし、酸素カプセルに連日入り、特別な点滴、ハリも打った。競馬学校以来、煮干しも口にした。「できることはすべてやった。何もしなかった日はない。普段より忙しかった。一日も早く乗りたかったからね」。16日の検査で骨折部がくっついたことが確認され、医師から騎乗許可が出た。まさに滑り込み。戸田師が「ギリギリまで待つ」と話したこともモチベーションとなった。「うれしかった。あの言葉があったから間に合わせたい気持ちが強くなったんだ」
 ブレイクランアウトへの期待は当然大きい。「前走は負けたとはいえ素質はかなりと感じた」。超人的回復の末に戻ってきた日本競馬の至宝。自身初の朝日杯制覇というミラクルを期待したい。

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2008年12月19日のニュース