(4)ウオッカ

[ 2008年11月28日 06:00 ]

<JC>日本牝馬初の10億円突破を狙うウオッカは最終追い切りで圧巻の動きを披露した

 ウオッカが史上最強牝馬になる!!外国招待馬を迎えて行われる「第28回ジャパンカップ」は30日、東京競馬10レースで行われる。天皇賞・秋で歴史的死闘を制したウオッカ(牝4=角居)は、27日の最終追い切りで折り合い面の不安を全く感じさせない動きを披露。89年のホーリックス以来19年ぶりの牝馬Vと牝馬初の10億円ホースに向け、大きく前進した。27日午後に行われた枠順抽選でウオッカは2枠4番に決定。同レースの馬券は28日からウインズ後楽園、新橋(14~19時)で前売りされる。

【枠順泣き笑い
追い切り


 臨戦態勢は整った。ウオッカの最終追いは栗東坂路で助手を背に単走で行われた。全体時計(800メートル55秒7)だけ見れば平凡。序盤はハミが舌を越すシーンもあった。それでも確かな脚取りで徐々に加速すると、最後の200メートルは圧巻の12秒5で締めた。
 ラスト200メートルに限れば、この日栗東坂路で追い切った延べ916頭で最速だ。抜群の反応。動きをモニターで確認した岩田も「凄くリラックスして、いい走りだった」と好感触を口にした。
 ジャパンCに向けてのポイントは2つあった。まずは2センチ差の死闘を制した天皇賞・秋の疲れを取ることだったが、レースの1週間後には坂路入りを再開。岩田が騎乗した19日の1週前追いでは、坂路51秒3(800メートル)の猛時計を叩き出した。清山助手が「やっぱりそのへんが凄いよね」とあらためて感心するほどの回復ぶり。残る課題は距離延長に備えた折り合い面の強化だけだった。
 同じ東京2400メートルのダービーを制しているとはいえ、近走は1600~2000メートル。燃えやすい性格だけに、不安がないとは言えない。最終追いの主眼もそこに置き、狙い通りの内容。角居師は「先週でスイッチが入った状態になっていた。400メートル長くなることを考えて我慢させるために助手を乗せ、時計を出さずに反応だけ見る感じ。落ち着いてタメが利いていたし、よかったと思う」と満足げに話した。
 この日午後2時からの枠順抽選では2枠4番を引き当てた。馬番こそ違うが、ダービーを制したのが2枠3番。枠は気にしていなかったという師も「験を担がせてもらいます」とまんざらでもない様子。
 さまざまな名誉、栄誉もかかる。日本牝馬初の優勝を飾れば総獲得賞金は、これまた牝馬初の10億円を突破する。年間G1・3勝で年度代表馬も当確だろう。師は「天皇賞の運をもう一度持ってこられれば」と控えめに話したが、勝利の女神は再びウオッカにほほ笑むか。そのための人事は尽くした。あとは天命を待つだけだ。

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2008年11月28日のニュース