飯嶋 気迫“番手差し”/ふるさとダービー福井

[ 2008年8月27日 06:00 ]

 G2「ふるさとダービー福井」の決勝戦は26日、福井競輪場で行われ、平原康多の逃げに乗った飯嶋則之(29=栃木・81期)が追い込んで優勝、賞金1540万円を獲得した。飯嶋のふるさとダービー優勝は初、ビッグレース(G2以上)の優勝は07年9月のG1「第50回オールスター競輪」以来2回目。2着は逃げ粘った平原で車番単式(3)―(7)1570円(4番人気)の決着だった。

 飯嶋が気迫あふれる“番手差し”でふるさとダービー初優勝を飾った。先行した平原の番手で稲垣の巻き返しを数度ブロック、ゴール直前では「(平原と飯嶋の中を割るのは)多分山口さんと思ったが締めないと抜かれる」。先輩の山口のコースを厳しく締めて平原を1/4輪差し切った。
 決勝戦当日に「何となく」ギアを3・85から3・92に変更した。「最終バックで平原君に遅れてしまい(ギア変更が)マイナスに出たけど(平原を)差せたのはプラスに出た」。約5カ月ぶりの1着は飯嶋に何かを感じさせたのだろう。「涙が出るほどうれしかったが(涙が)出なかった」。飯嶋らしい笑いを誘う言葉で優勝の喜びを表した。
 07年9月のオールスター競輪でG1初優勝を飾り、タイトルホルダーとして今年は注目される立場となった。2月に奈良記念優勝、3月に地元宇都宮F1優勝、7月にはG1・寛仁親王牌決勝4着。「自分では(脚力以上に)頑張っているつもりだけど周りに過大評価されてる感じがして…」と悩んだ時期の優勝だけにホッとした表情も見せた。
 9月は5月・宇都宮記念2日目の失格により斡旋停止となる。しかし「来月走れないからこそ今大会は集中できた。次の目標は次のレースだけど、しばらく競輪を忘れたい」。斡旋停止をプラスに変える飯嶋の10月以降の走りが注目される。(中林 陵治)

 ▼飯嶋 則之(いいじま・のりゆき)1978年(昭53)12月2日、栃木県生まれの29歳。作新学院高卒。98年8月プロデビュー。通算成績は795戦160勝、2着126回。通算取得賞金は2億8647万円。師匠は神山雄一郎。1メートル76、74キロ。血液型O。

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