岩田キンシャサ 電撃まず1冠/函館SS

[ 2008年7月7日 06:00 ]

Vゴールへ突き進むキンシャサノキセキ
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 函館で行われたサマースプリントシリーズ第1戦「第15回函館スプリントS」は断トツ人気キンシャサノキセキが重賞初制覇を果たした。

 ファンの支持を受けた単勝は断然の1・8倍。レースが終わってみれば、その数字が示すような圧倒的な強さでキンシャサノキセキがVゴールを駆け抜けていた。
 「出していって好位を取ろうと思っていた」(岩田)と話すように、スタートに細心の注意を払ったのが功を奏してロケットダッシュを決めると、すぐさま3番手をキープした。ゴスホークケン、ウエスタンビーナスの激しいハナ争いを尻目にきっちり折り合うと後はもうしめたもの。その時点で手綱を握る岩田には、直線でいつ抜け出そうかというレースの読みしか残っていなかった。
 その時がやってきたのは直線を向いた瞬間だった。内のゴスホークケンと外ウエスタンビーナスの間にちょうど1頭分のスペースが開いた。首先をそこに突っ込むと一気にゴーサインを送る岩田。次の瞬間にはもう抜け出していた。残り50メートルでは後方にセーフティーリードといえる3馬身差。この直後1頭になって気を抜いたため、追い込んだトウショウカレッジに首差まで詰め寄られたが、内容的には格の違いを見せつけての勝利だった。
 レース前「ここを勝たなきゃスプリンターズSなんて言ってられない」と必勝態勢で臨んでいた岩田は、重賞初制覇に導いたことで安どの表情。「負けられない一戦と思って挑んだが、勝ててよかった。ゴール前で馬が遊んでヒヤッとしたが、それ以外は思った通りにレースが進められた。馬の力が違った」と愛馬を褒めちぎった。
 レースを見守った堀師は「重賞が獲れてよかった。今後はサマースプリントシリーズ(別表参照)を視野に入れ、函館で調整しながら馬の状態を見てレースを決めていきたい」と話し、秋のスプリント王奪取へ一気に視界が開けてきた。

 ◆キンシャサノキセキ 父フジキセキ 母ケルトシャーン(母の父プレザントコロニー)牡5歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・豪州・アローリーブジョイントベェンチァー 戦績17戦6勝 総獲得賞金2億3912万5000円。

 ▼サマーシリーズ 「スプリント」と「2000」の2部門で今年が3年目。優勝馬の馬主に4000万円、厩舎関係者に1000万円が与えられる。昨年から新たに「ジョッキーズシリーズ」も加わり、優勝ジョッキーには100万円、暮れの阪神で開催されるワールドスーパージョッキーズシリーズへの出場権が与えられる。スプリントは06年シーイズトウショウ、07年サンアディユが優勝。昨年のジョッキーズは函館SSと北九州記念を制した角田晃一が優勝。
 ▼ルール 対象競走の着順で別表の点数を加算、その合計得点が13点以上で1勝以上した中の得点最上位。同点の場合は上位着順の多い馬、それも同数の場合はそれぞれの馬を優勝とする。ジョッキーズシリーズも同様に合計得点が13点以上、1勝以上した騎手の中から最上位をチャンピオンとする。同点の場合は上位着順の多い騎手、それも同数の場合は08年7月5日から9月15日までのJRAの競走における勝利数上位。

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2008年7月7日のニュース