内田マイスター雷差し/ラジオNIKKEI賞

[ 2008年7月7日 06:00 ]

ゴール前で差し切るレオマイスター(4番)
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 みちのくの夏を飾る名物3歳重賞「第57回ラジオNIKKEI賞」が6日、福島競馬場で行われた。激しく雷鳴がとどろく中、8番人気レオマイスターが鋭く伸びて重賞挑戦3度目で初タイトル。内田博幸騎手(37)は宝塚記念(エイシンデピュティ)に続き、テン乗りで2週連続重賞Vを飾った。

【ラジオNIKKEI賞成績


 雷鳴とどろく中で内田マジックが、またサク裂だ。相棒は初騎乗のレオマイスター。中団から徐々に外を進出すると、図ったようにゴール前でノットアローンをグイと差した。きっちり首差。泥だらけで引き揚げてきた内田は会心の笑顔だ。
 「雷?行きたがる馬なので、逆に集中しすぎず、折り合って行けたので良かったと思う。競馬も大荒れだったが、僕の馬には味方しましたね」
 まさに強運が待望の初タイトルを呼び寄せた。内田は当初、同じ賞金900万円のニシノエモーションに騎乗予定だった。しかし、17頭中10頭がOKの抽選に落ち、急きょ抽選突破したレオに乗ることに…。結果、昨年7月のデビューVを飾った思い出の福島(芝1200メートル)で実を結んだ。
 想定外の快勝!?に、古賀慎師も「まさか、勝つとは思ってなかったので…」と驚きまじりに切り出した。無理もない。昨年12月、500万のひいらぎ賞を勝った後はオープンの壁にはね返されていた。同師は「ゲートに問題があるので、枠(4番)も偶数で恵まれたし、鞍上もテン乗りだったがうまく乗ってくれた。馬にこれで夏休みと約束していたので、春の最後で頑張ってくれたのかな。雷パワーですね」とコツコツと頑張ってきた愛馬を称えた。
 先週の宝塚記念(エイシンデピュティに初騎乗V)に続き、またも雨中の快走劇。波乗り状態の内田は「荒れている内を避け、外をスムーズに走らせようと心掛けた。4コーナーでもまだ手応え十分。最後はグングン加速するのが分かった。これを機にもっと頑張ってくれると思う。絶好調?いい馬にたくさん乗せてもらっているので、これで甘えてはいけない」と唇を引き締めた。
 待望の初重賞を飾ったレオの今後は幅広い可能性が膨らんでいる。王道なら菊花賞。しかし、このまま中距離を進んでもいい。同師は「次走?ちょっと考えます。昨秋の福島2歳S(芝1200メートル)でも2着に好走した馬なので…。ひとまず夏は北海道に放牧へ」と実りの秋を見据え、充電を図る方針だ。

 ◆レオマイスター 父ニューイングランド 母ローズレッド(母の父ジャッジアンジェルーチ)牡3歳 美浦・古賀慎厩舎所属 馬主・レオ 生産者・北海道日高町の若林武雄氏 戦績10戦3勝 総獲得賞金7404万4000円。

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2008年7月7日のニュース