横典プログレスに満点!!／ＮＨＫマイルＣ

タカラパーク（左）と併せ追い切るサトノプログレス

　余裕たっぷりの走りが成長力の証だ。サトノプログレスが軽快な伸び脚で好時計をマーク。前哨戦のニュージーランドＴに続くＶへ万全の臨戦態勢を整えた。

　トライアル覇者のサトノプログレスは坂路で横山典を背にタカラパーク（４歳５００万）を３馬身追走。しまい軽く仕掛けられると素早く伸びて０秒２先着した。４Ｆ５０秒５～１Ｆ１２秒６。キビキビした動きが好調ぶりを感じさせた。
　まさに予定通りの追い切りだった。国枝師は前日６日に「先週と同じくらいの稽古をやる」と予告していた。４月３０日の１週前追いは４Ｆ５０秒２～１Ｆ１２秒６。ラスト１Ｆが同じで全体でも誤差０秒３という時計に、国枝師は「何ら問題ない。このまま行ければという雰囲気」と満足げに話した。
　追い切りの内容も成長を証明している。４着に敗れた若竹賞時の最終追いはいっぱいに追って４Ｆ５０秒６～１Ｆ１２秒９。その後は最後の伸びが鋭くなった。今回、軽く仕掛けた程度でラスト１Ｆ、全体時計ともに若竹賞時を上回った。師は「馬体が少しずつしっかりしてきた。もともとつくりのしっかりしていた馬だが、いいところにいい筋肉がついてきている」と話し、横山典も「本当に良くなるのはもう少し先かと思っていたけど、思ったより早く重賞を勝った」と想像以上の成長に目を細めた。
　唯一の懸念材料は、全３勝を挙げている中山から２戦未勝利の東京へのコース替わり。それでも東京３、２着時の勝ち馬は、後に重賞を勝ったフサイチアソートとマイネルチャールズで、全兄マイケルバローズはＮＨＫマイルＣと同条件の富士Ｓで２着の実績がある。横山典も「府中で勝っていないけど気にしていない。いろいろな競馬ができる馬だし、どんな馬場状態でも大丈夫」と信頼を寄せる。
　国枝師には昨年のピンクカメオに続く連覇と、重賞出走機会５週連続Ｖがかかる。昨年のＮＨＫマイルＣ当日は、前日の新潟大賞典にサイレントプライドを使ったことなどで新潟に滞在していた師だが、今年はもちろん東京へ。「最善を尽くすなら新潟に行った方がいいと思いますが…」。冗談で締めた師の表情には確かな手応えがにじんでいた。