佐村河内氏 障害者手帳“剥奪”も…「全ろう」偽り取得なら

[ 2014年2月8日 05:30 ]

佐村河内守氏

 耳の聞こえない作曲家として知られてきた佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏(50)に、障害者手帳の返還を求められる可能性が浮上した。18年間ゴーストライターをしていた桐朋学園大非常勤講師の新垣隆氏(43)が「耳は聞こえていた」と告発してから一夜明けた7日、手帳を交付した横浜市は、聴覚障害者を装っていることが確認されれば「返還請求も含め検討する」との見解を示した。

 前日の会見で新垣氏は「彼は障害者ではないと思います。手帳は(本物とは)違うのではないかと思います」と不正取得疑惑について言及。手帳を1度だけ見せられたことはあるが、その後も普通に会話できたことから、佐村河内氏は聴覚障害者を装っていると断言した。

 この発言について、佐村河内氏の代理人は手帳の存在を確認していることから「耳が聞こえないのは本当だと思う」と推測を交え反論した。実際に昨春のテレビ番組で手帳が公開され、02年1月21日に横浜市から交付されたことになっていた。障害の等級は2級。聴覚障害の中では最も重い等級で、補聴器を使っても聞こえない状態とされている。

 渦中の佐村河内氏自身の説明が待たれる中、障害者手帳を交付する横浜市の福祉保健センター担当者は「あくまで個人の証言だけなので、証拠としては弱い。すぐに調査することはない」と静観の構え。ただし、「今後、本人から申告があり、事実確認が取れれば返還を請求することも検討しなければならない」と佐村河内氏の発言次第では、調査に乗り出す姿勢を見せている。

 通常、障害者手帳は受け取ったら更新の必要がない。同市によると、過去に、治療によって聴力が回復した場合に手帳の返還を求めたり、等級を下げた例はあるという。手帳を持っていれば、税金の免除や公共交通機関の料金割引など優遇される。佐村河内氏が健常者である疑いについて、大澤孝征弁護士は「障害者手帳を不正取得しているとなれば詐欺罪になる」とした。

 佐村河内氏の代理人はこの日、「近々正式なコメントを出す」と話した。聴力についての説明が待たれる。

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