阪神・大山 田淵、掛布、岡田に並ぶ球団生え抜き最速8年目で通算500打点到達 チームは首位死守

[ 2024年5月23日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-1広島 ( 2024年5月22日    マツダ )

<広・神>初回、大山は先制の適時打を放つ(撮影・椎名 航)
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 阪神・大山悠輔内野手(29)が22日の広島戦(マツダスタジアム)の初回2死二塁から先制左前打を放ち、通算500打点に達した。8年目の到達は生え抜きでは76年田淵幸一、81年掛布雅之、87年岡田彰布に並ぶ球団最速タイ記録。3回1死二、三塁でも2点目の右犠飛を放ち、この日の全得点を叩き出してチームを勝利に導いた。2位・広島とのゲーム差は再び1・5。4カード連続勝ち越しを期し、23日も4番のバットが快音を響かせる。

 大山は迷いなく振り切った。初回2死二塁、カウント2ボールから森下が投じた内角カットボールを鮮やかに左前へ。10打席ぶりの快打で二走・近本を本塁へ迎え入れた瞬間、虎の4番にまた一つ、新たな勲章が加わった。球団生え抜き最速の8年目での通算500打点到達。田淵、掛布、そして三塁ベンチで指揮を執る岡田に堂々肩を並べた。だが、何よりうれしいのは「勝利」の2文字だった。

 「勝ったことが一番なので、本当に。勝てて良かったですし、打点というところはチームの勝敗に直結するところなので、一つ一つ積み重ねていきたい」

 3回1死二、三塁でも再び2ボールから森下の直球に反応し、右犠飛を放った。それでも「いい形でつないでくれたので、最低限走者を還すことができてよかった」と連打で好機をつくった近本と中野、深い中飛で2人を進塁させた森下への感謝を真っ先に口にし、自身の功績は二の次。ゲームセットのコールを聞き、ようやく白い歯がこぼれた。

 大山はここ数年、その「歯」を重点的にケアしている。4年前から定期的に体のチェックを受ける仲林久善トレーナーの協力の下、歯科ドクター、歯科技工士の“四人五脚”で“かみ合わせ”を緻密に調整。的確な“かみ合わせ”の位置を見つけ、脳を活性化させたり、指令伝達を良化させたりする取り組みを行う。特に大山は「食いしばるタイプ」(仲林トレーナー)。ストレスなどに起因する就寝中の無意識の歯ぎしりなど、歯への負担を軽減する特製のマウスピースやナイトガードを調達。良質な睡眠時間の確保にも一役買う。日々の奮闘を陰で支える「チーム大山」の存在なくして、「500」の大台も成し得なかっただろう。

 「(500打点は)通過点とかではなく(大事なのは)目の前の試合。明日どうするか、それに向けての準備はもう始まっている」

 準備と反省を丁寧に繰り返し、一つの山の頂へと登りつめた。それでもまだ先は長い。首位陥落の危機を救い、広島との差を広げたとはいえ、依然として「1・5」しかない。シビれる試合は続く。頼れる背番号3が一層「打点」を積み重ね、昨秋以上の絶景が広がる頂点へと導いていく。(八木 勇磨)

 《阪神生え抜きでは13人目》大山(神)が広島戦の初回に左前適時打を放ち、通算500打点に到達した。阪神在籍選手では16人目で、生え抜きでは13人目。入団8年目は田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布と並んで最速となった。

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