佐々岡真司氏 阪神・大竹の勝因は広島の1、2番を完全に封じたこと 完璧だった左打者への外角の制球

[ 2024年5月23日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-1広島 ( 2024年5月22日    マツダ )

<広・神>先発した大竹(撮影・椎名 航)
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 【佐々岡真司 視点】阪神の大竹は左打者、特に秋山、野間への外角の制球が完璧だった。投球の組み立ての中心となっていたし、真っすぐもスライダー(カットボール)もストライクはコースぎりぎり、ボール球も際どく、だから内角球も有効に使えた。(結果的に試合を通して)1番打者と2番打者にそれぞれ4打席ずつ、一度も出塁を許さなかったのが勝因の一つだろう。5回の無死一、二塁は6番の坂倉以下を、7回の無死一、二塁は5番の末包以下を抑えて無失点。坂倉や末包にバントのサインはありえないし、1、2番を出さなかったことが結果的にそういう打順の巡り合わせにもつながっている。勝てる投手のピッチングだ。

 緩急も利いていた。初回2死、菊池を遊ゴロに打ち取ったのは1ストライクからの82キロのスローボール。150キロの速球を投げるわけではないが、いいアクセントを生み、奥行きにもなった。昨年から9度の広島戦で7勝(0敗)。手の内はお互いに知り尽くしているが、捕手の坂本とともに相手の対策の上を行く準備をしているのだろう。相性の良さだけではない、努力のたまものだと思う。(スポニチ本紙評論家)

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