野村謙二郎氏 常に先手を打った広島・新井監督 いくつものプランを用意し、準備していたからこその勝利

[ 2023年10月16日 05:45 ]

セCSファーストステージ第2戦   広島4ー2DeNA ( 2023年10月15日    マツダ )

<広・De>6回途中、森下の交代を告げる新井監督(撮影・奥 調)
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 【野村謙二郎氏 視点】広島は、普段の試合なら6回の森下には続投させていたし、先制本塁打の西川に2打席連続の送りバントはない。短期決戦ならではの策で、常に先手を打った。後悔がないように後手に回らない…という事前の言葉を実行した新井監督が見事だった。

 いくつものプランを用意し、試合展開に合わせて綿密にシミュレートしていたから、決断も早い。6番から始まった5回の攻撃では森下の打順に合わせ、上本を待機させていた。既に準備ができていたから6回の継投もスムーズだった。大道投入で窮地を脱し、直後に代打・末包が本塁打。この一連の采配で主導権を完全に握った。6、8回の西川のバントは代打策とのセット。ベンチに迷いがないから、選手も心づもりができる。

 大道の好救援や第1戦での羽月の三盗など、この1年を通して、失敗しても選手の背中を押してきたことが実を結んだ。東と今永に対して苦戦も予想された中で勝ちきり、阪神に重圧を与える2連勝になった。(本紙評論家)

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