佐賀出身のソフトバンク古川侑利 “がばい”カットボールで1軍再昇格狙う 母校・有田工にもエール

[ 2023年7月11日 06:00 ]

1軍でも8試合に登板している古川(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第36回は現役ドラフトで日本ハムから加入した古川侑利投手(27)だ。1軍でも8試合に登板して防御率5・00。現在は2軍で又吉克樹投手(32)の助言も受けながらカットボールの精度アップに取り組む。チームでは支配下唯一の佐賀県出身として、地元や高校野球佐賀大会で連覇を目指す有田工への思いも語った。

 佐賀県武雄市出身の古川にとってペイペイドームは思い出の場所だ。少年時代は年に1度、家族で訪れるのが楽しみだった。今季から現役ドラフトで運命に導かれるようにソフトバンクのユニホームを着た。「凄く感慨深くて、うれしさもありという感じです」と特別な思いを持ってマウンドに立っている。

 開幕から1軍スタートを切り、ブルペン陣の屋台骨を支えたものの、6月に入ってから2軍落ち。1軍の首脳陣からは「真っすぐの強さは凄くあるから、変化球のところをやってきてくれ」と声をかけられた。

 特に見直しているのがカットボールだ。ゴロを打たせる、芯を外すイメージを意識して握りから見つめ直した。直球とカットボールの球速差が近い又吉に相談した。一緒にキャッチボールをしながら「今のいいね!とかですね。それを自分の感覚に刷り込ませながらやったりしました」と感謝。「1軍にいた時のカットボールではなくなってきたと思います」と手応えをつかんでいる。又吉の走り込み、森のトレーニングをする姿に日々、刺激を受けている。

 「自動車関係の仕事に就きたい」という思いから進んだ有田工時代が転機になっている。3年夏にエースとして県大会決勝では9回2死から同点に追いつき、延長10回で逆転サヨナラ勝ちを収め、春夏通じて初の甲子園出場に貢献した。甲子園では初戦で大垣日大に勝利。「毎年、思い出しますね」と懐かしむ。きょう11日に開幕する佐賀大会では後輩たちが初の連覇に挑む。「去年は凄くうれしかったです。今年もぜひ甲子園を目指してやってもらいたい」と熱いエールを送った。

 ソフトバンクの佐賀県出身の選手は育成の加藤晴と2人。「古川くん頑張ってね、佐賀から来たよとか言ってくれるんです。うれしいですね」と地元の思いも背負って戦っている。1軍は3年ぶりのV奪回へ好調な戦いが続いている。「いつ呼ばれてもいいように準備をしているつもりです」と古川。必ず大事なピースになって躍動する。(杉浦 友樹)

 ◇古川 侑利(ふるかわ・ゆうり)1995年(平7)9月8日生まれ、佐賀県出身の27歳。有田工では3年夏に春夏通じて初の甲子園へチームを導き、1回戦の大垣日大戦で勝利。13年ドラフト4位で楽天に入団。19年シーズン途中に交換トレードで巨人に移籍。トライアウトを経て22年から日本ハムへ。現役ドラフトで今季からソフトバンクに移籍。背番号63。書道8段。1メートル78、86キロ。右投げ、右打ち。

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