ソフトB・和田 母の故郷・山形で白星 「勝利球はおばあちゃんの家に贈りたい」

[ 2023年5月18日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク10―1楽天 ( 2023年5月17日    山形 )

<楽・ソ>勝利投手の和田はウイニングボールを手に3勝のポーズ(撮影・村上 大輔)
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 ソフトバンクの和田毅投手(42)が17日、母の故郷でもある山形で楽天戦に先発。今季最長となる6回3安打1失点で3勝目を挙げた。2―1の2回無死三塁では相手の仕掛けたスクイズを外し、ピンチをしのぐと3回以降は無安打。打線も11安打で今季初の2桁となる10得点で大勝し、山形開催は1991年8月以来7連勝。1分けをはさむチームの連敗も2で止まった。

 母・照子さんの故郷が鶴岡市。山形市内の球場とは距離はあるが和田は小学校時代に親戚とオニヤンマをつかまえたことを思い出しながらの快投だった。今季最長6回1失点で3勝目を挙げた。

 「勝利球はおばあちゃんの家に贈りたい。山形で夢にも思ってなかったけど気持ちも3回くらいからだんだん乗った。チームが勝てて本当に良かった」

 山形初登板は42歳の熟練の対応力が生きた。ハイライトは2―1の2回1死三塁でのとっさの対処法だ。「打者が(バントに)構え(甲斐)拓也が立ったので捕れる範囲でスライダーの握りで意図的に高めに投げた。当たればファウル、フェアはしゃあないので」と振り返る。

 カウント2ボール1ストライクから、太田への4球目。サイン通りに変化球を投げつつ、コースを変更した。打者は空振りし、三走の小郷はタッチアウト。この試合最大だったピンチをしのいだ。

 3回1死で山崎の打球は正面のゴロ。バウンドを合わせきれず、失策とし「あれが42歳。恥ずかしい」と苦笑したが3回以降は無安打無失点。6回2死の最終打者・浅村への4球目に、この日最速146キロをマークして「まだまだいける、投げられる感じはあった」と81球を投げた後も元気いっぱいだった。

 藤本監督も「良かったよね。投げる前は良くなかったらしいけど悪いなりにベテランらしくやってくれたね」と笑顔で賛辞。13年ぶりに地方球場での登板で勝利したが「プロ初勝利が北九州ですんでね」と忘れられないのがプロ2戦目、03年4月9日の西武戦。10年8月4日、旭川での日本ハム戦は6回4被弾含む6安打6失点で地方で初黒星。「マウンドが砂みたいになっていて。木田さん(現2軍監督)も先発で、お互いボコボコに打たれた」と苦笑い。それもこれも土台となり、和田を形成している。

 これで地方球場は7試合4勝1敗。チームも91年以来、山形開催は7連勝と相性は最高だ。1分けをはさむ連敗も2で止めた左腕は「次は7回も投げさせてもらえるように、少しずつ信頼を勝ち取りたい」と貪欲だった。ここぞの和田は、変わらず頼もしかった。(井上 満夫)

 ○…ソフトバンクは14年7月30日の楽天戦以来9年ぶりの山形開催も勝利し、91年8月20日の日本ハム戦以来当地では7連勝を飾った。連勝が始まった試合では藤本監督の8号ソロなどで勝利し、翌21日も山形で行われた同カードでは2試合連発の9号ソロが決勝打になった。「よう、調べてくれるね。この球場はきれいになったから分からない。(試合は)オレがやるわけじゃないからね」と話していたが、連勝を7に伸ばして「出た選手が仕事をしてくれたよ」と安心していた。

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