能見篤史氏もうなる阪神・大竹―坂本の絶妙な配球 勝負所は“隠し球”で対処する作戦も見事

[ 2023年5月14日 06:15 ]

セ・リーグ   阪神7-2DeNA ( 2023年5月13日    甲子園 )

6回1死一塁、牧を投併殺打に仕留めた大竹(撮影・平嶋 理子)
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 【能見篤史 視点】決して速くはない球速140キロちょっとの真っすぐが、阪神・大竹の投球の軸であり、最大の武器だ。打者の手元では、スピード表示には表れない力強さがある。しっかりと差し込めて意識付けさせるとDeNAの各打者はポイントを少し前にしてくるが、ならばと大竹―坂本のバッテリーはチェンジアップで泳がせて奥行きを有効に使っていた。真っすぐとチェンジアップの絶妙の配球、そしてツーシームでアクセントを加えている。緩急でタイミングをずらすのがうまい。6回まで被安打4で、完璧なスイングをさせないので長打を1本も許していない。

 4回1死一塁で大和を初球ツーシームで三ゴロ併殺打。前の打席で1球も投げていない球種だった。6回1死一塁でも牧にチェンジアップを2球続けて投ゴロ併殺打。同じく前の打席で7球のうち一つもなかった球種だった。

 不運な当たりで先に点を取られたが、打線が直後に逆転してくれた。ガゼルマンの自滅かもしれないが4得点は大きかった。そのガゼルマンは3回先頭の木浪への初球の死球から急変した。イライラし始めたのが分かり、次打者の大竹にストレートの四球などこの回だけで3四死球。守備にも連鎖して適時失策もあった。阪神投手は反面教師としたい。 (本紙評論家)

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