日本ハムのドラ5・奈良間 初安打がプロ1号!12球団新人一番乗り

[ 2023年4月19日 06:00 ]

パ・リーグ   ロッテ4ー2日本ハム ( 2023年4月18日    エスコンF )

<日・ロ>3回、先制ソロを放つ奈良間(撮影・高橋 茂夫)
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 ルーキー一番乗り弾だ。日本ハム・ドラフト5位・奈良間大己内野手(22)が18日のロッテ戦で、3回にプロ初安打となる左越えソロを放った。球団では17年石井一成以来となる12球団新人1号で、自身2度目のスタメンで最高の結果を残した。チームは3連敗で今季最多の借金7と苦しむ中で、新庄剛志監督(51)から「なまら君」と呼ばれる若手の台頭は、故障者が続出する二塁手争いの台風の目となる。

 1メートル72の小兵が、アーチストのようなド派手な“バット投げ”を見せた。奈良間が迷いなく振り抜いた打球は、左翼ブルペンへ。プロ初安打が初本塁打。チームでは17年の石井以来、12球団の新人一番乗りの一発だ。

 「追い込まれるまでは思い切り行こうと。1ボールになって、次の球を思いっきり踏み込んでいけた」

 新球場では初スタメンとなる「9番・二塁」で出場。3回先頭の第1打席だ。小島の2球目の143キロ直球を完璧に捉えた。開幕は2軍スタートだったが、開幕前の加藤豪の故障に続き、石井も左肩肉離れで離脱。二塁手争いでチャンスが訪れ、12日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)で初スタメン出場した。しかし、3打数無安打に終わり「緊張して何も考えられない状態だった。今日はしっかり整理してできた」と自身2度目のスタメンで経験を糧にした。

 常葉大菊川(静岡)では3年夏の県大会で打率・818を記録し、「静岡のジーター」と呼ばれ、U―18日本代表入りも経験するなどポテンシャルは計り知れない。それに加え、野球に真摯(しんし)に取り組むひた向きな性格だ。音楽や映画は全く見ず、野球以外には関心が薄い根っからの「野球小僧」。立正大時代は全体練習後に、1人で室内練習場で黙々とバットを振る姿はチーム内でも見慣れた光景だった。

 幼少期から目指してきたプロの世界。昨年、新球場に初めて足を踏み入れた時には、これまでの人生でも感じたことのないほどの高揚感と感動で胸がいっぱいになった。その新球場での記念の1号に「北海道という場所で、本拠地で打てたのは自分にとってもうれしい」と表情を緩めた。

 ただ、6回の二塁守備では、平凡なゴロを取り損ねる失策で失点に絡み「バッテリー、チームにも迷惑をかけてしまった。うれしいというか、悔しさが残る試合だった」と反省もあった。チームも3連敗を喫した。それでも、新庄監督は「若い選手たちが乗っていったら恐ろしいものがあるという期待感しかない」と必死に前を向く。まだシーズンも15試合を消化しただけ。奈良間が味わったこの悔しさも、この先の糧となるはずだ。(田中 健人)

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2023年4月19日のニュース