広澤克実氏 阪神・村上の完全交代「ベストは続投させて達成」「ワーストは初勝利を消してしまうこと」

[ 2023年4月12日 23:27 ]

セ・リーグ   阪神2―1巨人 ( 2023年4月12日    東京D )

<巨・神> 岡田監督(右)とハイタッチをかわす村上(撮影・大森 寛明)
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 7回まで一人の走者も出さなかった村上を続投させるか、交代させるか。どちらを選択しても出てきた結果に賛否両論あると思う。正解はない。ただ、何がベストなのかを考えると続投させて、村上が完全試合、ノーヒットノーランを達成すること。逆に何がワーストかというと交代して、この試合のように、リリーフが打たれて村上のプロ初勝利まで消してしまうことだ。

 私の現役時代の監督だった野村克也さん、長嶋茂雄さん、星野仙一さんは、よく「監督というのはな…」という話をされていて、プロ野球ファンの喜ぶ姿を想像して交代はしない方たちだった。村上本人のためにも、1本打たれるまでは大記録にチャレンジさせていたと思う。

 もちろん村上には疲れも出てきていただろうし、限界だったのかもしれない。チームの勝利には自慢の救援陣をつぎ込む方が勝つ確率は高かっただろう。でもまだシーズン序盤で、優勝争いをしているペナントレース終盤ではない。07年の日本シリーズで中日が8回まで完全の山井に代えて、9回はストッパーの岩瀬を投入して完全リレーを完成させたが、日本シリーズという最高峰の舞台で継投が成功しても、いまだに議論される。

 もっと点差が開いていれば岡田監督の選択はどうだったか。1―0というスコアは、やはり難しかったと思う。(本紙評論家)

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