アスレチックス・藤浪 米国デビュー戦で大谷と9年ぶり投げ合い2回無失点

[ 2023年3月2日 02:30 ]

オープン戦   アスレチックス5-11エンゼルス ( 2023年2月28日    メサ )

<アスレチックス・エンゼルス>力投する藤浪(撮影・光山 貴大)
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 阪神からアスレチックスに移籍した藤浪が、2回を1安打無失点、3奪三振でメジャー初の実戦登板を終えた。高校時代から競い合ってきた同学年の大谷と、14年のオールスター第2戦以来9年ぶりの投げ合いが、米国での「デビュー戦」で実現。ただ、本人は冷静だった。

 「自分のやるべきことの方が大事だと思いつつも、楽しみにしてくださっている方も多いのは分かっている。もちろん、いいものを見せられたらと思っていた」

 収穫は2つあった。1つは高めの直球が効果的だったことだ。直球は最速98マイル(約158キロ)を記録。「高めを取ってくれる印象。うまく投げられた」と語った通り、落差のあるスプリットと合わせ高低で勝負。「日本と違って直球は高めに、と言われる。今後も武器になるし生かしていきたい」と話した。

 2つ目はピンチでも焦らず、フォームを修正できた点だ。2回。10年プレーした阪神時代からの課題だった制球難が顔をのぞかせ、3連続四球を許した。無死満塁のピンチ。しかし、「体が開き気味で、良くない時の傾向が出た」とフォームを調整し、後続を三振と遊ゴロ併殺に打ち取った。大谷に負けじと、2回を無失点で切り抜け「押し出しでもしたら、後で(周囲が)うるさいやろなと。抑えられてホッとした」。マーク・コッツェー監督からは「真っすぐは力強かったし、2回も何とか課題を克服して切り抜けた」と及第点を与えられた。

 試合前。キャッチボール中には歩み寄った大谷に「よろしくね」と声を掛けられて握手を交わした。両チームが隣り合った構造のブルペンでは、2人並んで投げた。「自分以上に周りの方が気にしているんじゃないか、という感じ。自分の中ではそんなに(気にならなかった)、ですかね」。シーズンでのガチンコ勝負に向け、気負わずに適応と準備を進めていく。(柳原 直之)

 ▽大谷と藤浪の対戦 高校時代は12年選抜1回戦で対決。ともに先発し大阪桐蔭・藤浪が9回2失点で完投勝利。花巻東・大谷は8回2/3を9失点で敗れたが2回の打席では右越えに先制ソロを放った。プロ公式戦での対戦は13年5月26日(甲子園)の1度だけ。藤浪(神)は先発7回1失点で勝ち投手、5番・右翼でスタメンの大谷(日)は藤浪から二塁打を2本打った。投げ合いは翌14年の3月8日のオープン戦と7月19日の球宴第2戦(ともに甲子園)で実現。全て先発でオープン戦は大谷が5回1失点、藤浪が5回5失点、球宴は大谷が1回1失点、藤浪が2回4失点し、2戦とも大谷が勝利投手、藤浪が敗戦投手になった。

 【藤浪と一問一答】

 ――初登板に点数をつけるなら。

 「初回は良かったですが2回に力んだので、60点くらいですか。及第点にいくかいかないか、くらいでしょうか」

 ――良かった球種は。

 「スプリットが良かった。スライダーがちょっと抜けたりしていた。修正できたらと思います」

 ――打者の反応は。

 「全体的にしっかり振ってくる。当てにいこうとか、カットしてやろうとか、そういうスタイルではないのを改めて感じた。イメージ通り」

 ――投球間の時間制限については。

 「気にしてタイムは見ていたが、思ったよりも焦らなくていいかな。自分のリズムではそんなに困らないかな、と」

 ――右足に打球が当たった。

 「そんなに痛くなかったので、全然いけるかなということで、トレーナーも呼ばずにそのままいきました」

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