野村謙二郎氏　広島・大瀬良は直球の球速＆球威アップ！　こだわって調整してきた成果出た

オープン戦   広島1－4巨人 （ 2023年2月25日    沖縄・那覇 ）

オープン戦＜巨・広＞広島の先発・大瀬良　（撮影・西川祐介）
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　【野村謙二郎　視点】広島・大瀬良は何より直球に力強さがあった。初回1死二、三塁で中田翔への初球。直球待ちのところに直球、しかも高めに投げ込んで一飛に押し込んだ。球速は150キロ超まで上がり、球威もあった。

　変化球でかわそうとする投球が多かった昨季までとは違う。やはり直球が軸で、強い直球があってこそ変化球が生きる。こだわって調整してきた成果が出た。付随してカットボールの球速も5キロほど上がった。取り組んできたことを最初の対外試合で出せたのだから、新井監督も開幕投手に指名したと思う。

　近年は打者の技術も上がり、変化球で簡単に空振りは取れない。スライダーなどでかわそうとしてもファウルで逃げられ、球数が増えて長いイニングを投げられなくなる。中田翔との勝負のように1球で差し込めば球数も少なくて済む。加えて打者を力強く抑え込む姿は、後ろから見ている野手陣の士気も上げる。それがエースだ。開幕は1カ月後。いいスタートを切ってくれそうな予感がする。（本紙評論家）