侍・宇田川“すべらない投法”滑る使用球適応へクイックモーションに活路「自然に投げられている」

[ 2023年2月20日 05:00 ]

侍ジャパン強化合宿 ( 2023年2月19日    サンマリン宮崎 )

ブルペン投球する宇田川(撮影・尾崎 有希)
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 大舞台に向け、なりふり構ってはいられない。強化合宿初のブルペンで32球を投げた宇田川は、終了後に厚沢ブルペン担当コーチと話し込んだ。そのまま「おかわり投球」に突入すると、入念にクイックモーションでの投球を確認した。

 「足を上げてのフォームだと、ちょっと迷いながらの雰囲気があったらしくて。クイックだと何も考えずに勝手にトップがつくれる。そこを厚沢さんに言われてクイックで投げたら、クイックの方が良かった」

 オリックスでの春季キャンプ序盤から、WBC使用球への適応に苦しんできた。所属球団でも投手コーチを務める厚沢コーチは、以前にも「リリースを気にしすぎてフォームまで崩してしまっている」と指摘。この日のブルペンでも、やや荒れ気味だった24歳にメスが入った。

 クイックでは、テイクバックが速く小さくなる分、ボールが滑るリスクが減るという。「フォームを気にせず自然に投げられている。迷いなく腕を振れるので球にいい影響を与えていると思う」と宇田川。精神面でもメリットを生み出しているようだ。「(従来のフォームでも)自然にできるように」と現在が完成形ではないものの、「クイックの方がいいなら。バッターと勝負できると思うので(無走者でも)クイックでいく可能性もあります」と本格導入の可能性にも触れた。

 オリックスの中嶋監督から、昨季の日本シリーズ期間と同じ体重97・5キロ以下キープを厳命されている。前日は若手投手がダルビッシュの投球練習を目に焼き付ける中、減量のために一人だけウエートルームで汗を流し続けた。昨季7月に支配下登録され、瞬く間に侍ジャパンの一員にまで急成長した1メートル84の剛腕。“クイック仕上げ”で、WBCでも輝く。(阪井 日向)

 ▽宇田川の苦闘 オリックスでの春季キャンプ中に100キロから4、5キロ減量する計画を立て、球団トレーナーから「腹八分目以上は食べるな」と厳命された。甘い物を控えてアーリーワークも敢行。宮崎合宿に合流する前日の16日の時点で、中嶋監督から課された97.5キロよりも0.1キロ軽い97.4キロまで減量した。WBC使用球の適応にも苦しみ、11日には厚沢投手コーチの発案で、ブルペンでNPB球とWBC使用球を交互に投げるなど試行錯誤。キャンプ地を離れる際には、中嶋監督から「途中で帰ってくるから、あいさつしなくていいよ」と辛口の激励も受けた。

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2023年2月20日のニュース