広島ドラ5 大阪ガス・河野 初戦敗退「プロ野球に対しての思いは強いものがある」も結論を急がず

[ 2022年11月1日 04:59 ]

第47回社会人野球日本選手権大会・第2日1回戦   東京ガス4ー2大阪ガス ( 2022年10月31日    京セラD )

<東京ガス・大阪ガス>5回途中から登板した大阪ガス・河野(撮影・平嶋 理子)
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 広島からドラフト5位指名された大阪ガス・河野佳投手(21)が社会人野球の日本選手権で東京ガスとの1回戦に2番手で登板し3回1/3を1失点(自責0)に抑える好救援を見せた。即戦力候補の実力を見せつけても無念の初戦敗退。史上初の大会3連覇の夢がついえ、広島入団については慎重に決断する姿勢を示した。

 自己最速に並ぶ151キロを2度計測し、全64球のうち48球が直球を占めた。河野はドラフト下位指名の悔しさをぶつけるかのように直球を投げ続けた。

 「今年も151キロは出ていたけど、こういう場所、場面で出すことができた。球の質も良かったと思います」

 1―3の5回2死満塁の窮地で登板。その初球に151キロを計測するなど、4球連続の直球で遊ゴロに仕留めて難局を乗り切った。唯一の失点は、味方の失策が絡んだもので自責0。6回には151キロ直球で見逃し三振を奪うなど、計4奪三振を全て直球で奪った。
 「1点は取られたけど、初球から腕を振れて、よく粘れたと思います。直球が走っていたし、相手も合っていなかった。今日は変化球を多く投げるよりも、いいと思いました」

 今年の大会は全て終わった。しかし、広島入りへの明言は避けた。「社会人での目標が上位指名だった。絶対に来年は今年以上の成績を残せる自信がある」と言及。「(プロ入りは)まだ考えていない。ここからしっかり、監督さんと会社と話して結論を出したい」と慎重に言葉を選んだ。

 昨年の同大会で計19イニング無失点に抑えて最高殊勲選手に選ばれ、ドラフト上位候補として今年を迎えた。春ごろに「へんとう膿瘍(のうよう)」を発症。約1カ月間投球から離れるなど体調が整わなかった。7月の都市対抗野球では1イニング3本塁打を浴びるなどアピールに失敗。7月にのどの手術を受けて、今大会に向けて調整を進めるも、昨年ほどの評価を取り戻せずに広島からは5位指名だった。

 「今年の評価は受け止めているけど、体調不良で調子を落としたことがすごく悔しい。心残りがあります」

 5位指名が不満なわけではない。最後には「プロ野球に対しての思いは強いものがあります」と付け加えた。結論を急がずに、冷静に自身の夢と向き合う。(河合 洋介)

 ◇河野 佳(かわの・けい)2001年(平13)8月23日生まれ、兵庫県加古川市出身の21歳。神野小3年からソフトボールを始める。広島・大州中では広島南シニアに所属。広陵では2年夏と3年春に甲子園出場。大阪ガスでは21年の日本選手権で4試合全19イニング無失点で優勝に貢献し最高殊勲選手賞。同年の社会人年間表彰で最多勝、最優秀防御率、ベストナインの3冠。1メートル75、81キロ。右投げ右打ち。

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