ソフトバンク 又吉加入で「7回の男」争いさらにし烈に 津森が見せるライバル心

[ 2021年12月18日 09:00 ]

ソフトバンク・津森
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 勝利の方程式をつかみ取るのは誰だ。ソフトバンクは今オフ、中日から国内フリーエージェント(FA)宣言した又吉を獲得。実績十分の右腕は「7回の男」筆頭候補。そこに「待った」をかけるのが津森宥紀投手(23)だ。同じ本格派の右サイドスローとして、し烈なサバイバルを勝ち抜く道を示した。

 2年目の津森は今季、自己最多45試合に登板し1勝0敗、11ホールド、防御率2・18と安定感をみせた。強い直球と投げっぷりの良さが魅力だが「自分の真っすぐと、(又吉の変化球を)合体して出せたら良くなる。タイプが一緒なので良いところは盗んでいきたい」と球種豊富な又吉から投球術を学び、スキルアップをもくろむ。

 対して、又吉は今季、チーム最多66合に登板し3勝2敗8セーブ、33ホールド、防御率1・28をマーク。抑え経験もある右腕は、常勝軍団再建に欠かせない存在として期待は高い。

 競争が生む相乗効果にも期待が持てる。津森は「ストレートを落とさないようにして、変化球も磨きたい」と投球の幅を広げることがテーマ。今オフの自主トレは守護神・森に初めて弟子入り。昨年まで7年連続50試合登板の鉄腕の宝刀であるフォークの習得に挑戦することも明かした。全てはライバルに勝つためだ。

 藤本監督はかねて森とモイネロで「8、9回は固定したい」と構想を練っている。しかし、「7回は臨機応変」としていた。経験のある岩崎、若手の津森、甲斐野、板東らに通算400試合登板のタフネス右腕が割り込み、「7回の男」を競わせる構図だ。

 津森は「又吉さんより多く投げられるように頑張ります。50試合以上投げたい」とキャリアハイを志す。分厚い中継ぎ投手陣に「最強のピース」が加わるが、一歩も引くつもりはない。福岡では寒空の下で早くも火花が散り始めた。
(記者コラム・福井 亮太)

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