ソフトバンク・田中正義、決意の先発転向 千賀塾で学ぶエース道“未完の大器”返上へ「競争全部勝つ」

[ 2021年12月2日 05:30 ]

契約を更改し会見するソフトバンク田中正義(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクは1日、3選手がペイペイドーム内で契約更改交渉に臨み、田中正義投手(27)は5年目で初アップとなる200万円増の年俸1300万円でサインした。今季は中継ぎで自己最多18試合に登板し防御率2・16。来年1月の自主トレは“千賀塾”に弟子入りしエース道を学ぶ。先発転向で開幕ローテーション入りを目指す。周東佑京内野手(25)は400万円ダウン、野村大樹内野手(21)は60万円アップでサインした。(金額は推定)

 16年の5球団競合ドラフト1位右腕が、5年目で初めて“昇給”した。田中はホッとした表情で交渉後の会見に臨んだ。

 「まずは来年も野球ができることに感謝している。(球団の)期待に応えられるように来年、しっかり戦力になって頑張りたい」

 今季、中継ぎとして自己最多18試合に登板し、防御率2・16。鳴り物入りでプロ入りしたが、肩や肘の不調に悩まされ続けた。ようやく開花の兆しが見えたシーズンだった。

 「自分としてはかなり大きな1年。やってきたことが形になる希望が見えてきた」。成長を見込んで藤本監督からは先発転向を期待されており、宮崎秋季キャンプでは投手MVPに選ばれた。田中は「チャレンジさせてもらえるなら一生懸命やりたい」と意気に感じている。

 上昇カーブを確実にするためのプランがある。来年1月の自主トレでは千賀に弟子入りを志願した。技術だけではなく、エースの極意を学びにいく。「どういう気持ちでチームを背負っているのか。あれだけの実績を残されている方なので勉強したい気持ちです」と目を輝かせる。6年連続2桁勝利を誇る絶対的エースから先発マインドを吸収する。

 技術的な課題は変化球の精度だ。先発として長いイニングを投げ抜くため、「直球以外にバッターが嫌がるボールが2つくらいないとキツイ」。今オフは150キロ超の直球に加え、フォーク、スライダーの決め球を磨く。

 プロ未勝利。未完の大器の名称は返上しなければならない。「まずは開幕で1軍にいないと話にならない。オープン戦、キャンプの競争で全部を勝ち取って、ローテーションに入らないと」。やるからには徹底的にやる覚悟。エースから学び、エースを目指す決意を固めた。(福井 亮太)

 ◇田中 正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日生まれ、神奈川県出身の27歳。上末吉小1年時に駒岡ジュニアーズで野球を始める。創価高では主に外野手で甲子園出場なし。創価大で投手に再転向し、3年春から4年春のリーグ戦まで56イニング連続無失点を記録。3年時には大学日本代表でユニバーシアードの金メダルに貢献。16年のドラフト会議で5球団が1位で競合しソフトバンク入団。通算29試合で0勝1敗。1メートル88、93キロ。右投げ右打ち。

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