高嶋仁名誉監督の孫、智弁和歌山・高嶋奨哉が3打点!!!強打16安打9得点の優勝に貢献

[ 2021年8月30日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権大会決勝   智弁和歌山9ー2智弁学園 ( 2021年8月29日    甲子園 )

<智弁学園・智弁和歌山>7回、智弁和歌山・高嶋は適時二塁打を放ちガッツポーズ(撮影・後藤 大輝)
Photo By スポニチ

 第103回全国高校野球選手権大会の決勝があり、智弁和歌山が智弁学園との「智弁対決」に快勝し2000年以来、21年ぶり3度目の優勝を飾った。コロナ禍で昨年の大会が中止となり2年ぶりの開催となった特別な夏。雨による順延が続き、出場校中最後の登場から6日間で4試合を戦い、全試合2桁安打の猛打で、20日間に及ぶ史上最も長い夏を制した。

 歓喜の輪はない。21年ぶりの優勝を決めると智弁和歌山ナインは、少しだけ笑みを浮かべて、それぞれのポジションから本塁付近の整列に向かった。「礼に始まり礼に終わる。礼が終わってから全員で喜ぼう」。ナインと決めていた主将の宮坂厚希は「日本一だけを目指して、チームで一つになってやってきた。素直にうれしい」と感慨に浸った。

 最後も看板である強打がさく裂した。初回に一挙4得点。2点を奪い、なおも2死二、三塁で甲子園歴代最多68勝を誇る高嶋仁名誉監督の孫である高嶋奨哉が続いた。カウント1―2から外角チェンジアップを左前に2点打。十分すぎる先制パンチとなった。

 「初回から自分に打席を回してくれたので絶対一本出してやろうと。このチームで仲間とやってきて、優勝できてうれしい」

 7回2死一塁では2番手の小畠一心から左中間へ適時二塁打。勝利を決定付ける6点目は相手の戦意をそぐ1点となり8、9回にも加点。智弁学園のダブルエースに計16安打を浴びせ9点を奪った。

 甲子園に初めて来たのは3歳のとき。「智辯」の刺しゅうがされた子ども用のユニホームを着てアルプススタンドにいた。赤いユニホームは常に憧れの存在。祖父との思い出は野球を教えてもらったことばかりだ。毎年、正月には15分ほどの距離にある自宅を訪ね、近くのグラウンドで打撃指導を受けるのが恒例行事。祖父がつくり上げたチームでプレーすることに、何の迷いもなかった。

 実力で三塁定位置を勝ち取り、挑んだ最後の夏。4試合で打率・333、1本塁打、4打点の結果を残し、21年前に指揮官だった祖父が必死につかんだ日本一にたどりついた。仁氏も「必死でやったと思います。ええとこで打ってくれた」と相好を崩した。

 校歌を終え、自軍のスタンドへの一礼を終えると、ようやく歓喜の輪をつくり全員で「1番ポーズ」を繰り出した。「自分が持っている実力以上のものが出る場所で、一球が命取りになる、すごく特別な場所でもあった」。2年ぶりの夏。優勝の味も特別だった。(北野 将市)

 《歴代9位並ぶ春夏9度目V》智弁和歌山が00年以来、21年ぶり3度目の優勝。龍谷大平安に並ぶ6位で春夏通算では4度となり、県岐阜商などと並ぶ9位に浮上。箕島とも並び、和歌山勢では最多となった。和歌山勢の夏優勝も00年以来で通算8度目となり愛知と並ぶ2位。1位は大阪の14度。春夏通算では13度目で兵庫と並ぶ4位となった。

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月30日のニュース