DeNA・蝦名 “打撃のリズム”気付かせてくれた仁志2軍監督へ「ニンニクパンチ」で恩返しを

[ 2021年4月13日 08:42 ]

2軍で存在感を示すDeNA・蝦名(球団提供)
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 DeNAの蝦名達夫外野手(23)は、ルーキーイヤーの昨季、プロ初安打を本塁打でマークした俊足のスラッガー。2年目の今季は開幕を2軍で迎えたが、将来の主軸候補として期待値は高い。青森県出身で地元名産のニンニクにも目がない若武者。1軍の舞台での「ニンニクパンチ」量産に思いを巡らせ、イースタン・リーグで必死に磨きをかけている。

 蝦名は、その言葉に驚いた。「おまえの打撃はリズムがない」。2月の沖縄嘉手納キャンプ。新任の仁志2軍監督の指摘だった。
 「自分の中に“打撃のリズム”という言葉はなかったので強く覚えている」

 本拠地・横浜スタジアムでの昨年9月10日の阪神戦。能見(現オリックス)から中越えソロを放った。プロ初安打が本塁打。将来の主軸候補が、華々しい一歩をしるした。

 しかし、痛めていた右足首を11月に手術。そのため、タイミングの取り方にわずかな影響が出ており、リズムの不安定さにもつながっていた。「“もう少しゆったり球を見ろ。ぎごちなく急いで打っている”とも言われました」。試行錯誤の日々は続く。「率直に、まだ打撃はしっくりきていない。でも、(仁志)監督のおかげで、いろいろ考えている」と前向きだ。

 昨季はイースタン・リーグ32試合で6本塁打。3月20日の開幕、ロッテ戦では4番を務めた。ここまで12試合出場で打率・333、6盗塁(いずれも12日現在)。50メートル6秒0の俊足を生かすため、1番での出場もある。仁志2軍監督から、その潜在能力を高く評価され「おまえは2軍にいる選手じゃない」とハッパを掛けられている。

 青森市出身。郷土愛は深いが「ケガが嫌で個人的にスキーやスノーボードをしたことがなかった」と強い意志を持ってプロへ目を向けていた。知人から送られる名産のニンニクを食すのが楽しみな寮生活を送る。

 佐野、桑原、神里、オースティン。正外野手への壁は高い。「打撃を生かし、争いに食い込みたい」。首脳陣の熱い視線を力に変える。同郷の先輩、外崎(西武)の「アップルパンチ」ならぬ「ニンニクパンチ」を1軍で連発することが、仁志2軍監督への恩返しになる。(大木 穂高)

 ◆蝦名 達夫(えびな・たつお)1997年(平9)9月20日生まれ、青森県青森市出身の23歳。小学2年から野球を始め、青森東中では軟式野球部。「4番・三塁」を務めた青森商では甲子園出場なし。青森大では4年時に主将を務め、秋に首位打者を獲得して北東北大学野球リーグの16季ぶり優勝に貢献した。19年ドラフト6位でDeNA入団。昨季は1軍で17試合に出場し打率・143、1本塁打、1打点。1メートル85、88キロ。右投げ右打ち。

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