常総学院、初戦VS敦賀気比で“木内マジック”再び!?87年夏、聖地初勝利と同じ福井勢撃破だ

[ 2021年2月24日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会組み合わせ抽選会 ( 2021年2月23日 )

センバツでの初戦の相手が決まり気合を入れる田辺主将(中央左)、島田監督(中央右)ら常総学院ナイン(撮影・西川 祐介)
Photo By スポニチ

 常総学院・田辺広大主将(2年)は、迷わず大声を発した。抽選で選んだクジは「島田(直也)監督のシ」。敦賀気比(福井)との対戦決定も「ここまで来られたのは監督のおかげ。木内監督は甲子園で優勝したけど、島田監督は優勝を経験してないので、日本一で恩返ししたい」と高校時代に頂点に届かなかった指揮官への思いを口にした。

 エースの秋本璃空(りく、2年)も思いは同じだ。「監督から“甲子園に行ったら成長する。けど初戦で負けたら意味ないぞ。勝ち進むことによって人間としても成長できる”ってよく言われるんです。だから監督を優勝させたい」。昨冬、指揮官の高校時代の動画を繰り返し見た。「大観衆の中で味方がエラーしても笑って投げていた。自分にはできない」。12、1月は週300球を投げ込み、連投に耐えるスタミナを蓄えた。

 昨年11月に死去した木内幸男元監督も、福井県との縁があった。取手二から84年に常総学院に移った名将。常総学院での甲子園初勝利は、87年夏の1回戦の福井商戦だった。当時のエースは島田監督で、10奪三振で2失点完投勝ち。決勝まで勝ち上がり準優勝を飾った。指揮官も「まあ、福井かと思いましたけど…」と思い出がよみがえった。

 母校の監督に就任して迎える甲子園初陣。「木内監督にプレゼントということで、何とか一つは勝ちたい。本当に素晴らしい場所でやらせてもらう。そういう経験を一試合でも多くさせたい」。島田監督は、かつての指揮官のような優しいまなざしで、ナインを見つめた。(伊藤 幸男)

 ▽常総学院の87年夏の甲子園準優勝 84年から指揮を執っていた木内幸男監督は87年センバツで取手二以来の甲子園に凱旋。1回戦の明石戦ではエースの島田直也(現監督)が先発も0―4で敗退した。夏は初戦で福井商と対戦し5―2で勝利。島田は141球の熱投で6安打10奪三振2失点で完投勝利を挙げた。木内監督にとっては常総学院での甲子園初勝利。その後、沖縄水産、尽誠学園、中京、東亜学園を撃破。決勝はPL学園に敗れた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月24日のニュース