【新井さんが行く 特別なキャンプ】目配り、声掛け 今年は新しい「山田哲人」を見せてくれそう

[ 2021年2月24日 08:15 ]

練習試合   ヤクルト5-10巨人 ※特別ルール ( 2021年2月23日    沖縄・浦添 )

練習試合<ヤ・巨>練習試合を観戦する新井氏(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 ヤクルト・山田が本塁打した2回の打席は内容がスゴい。平内に対して3球目の151キロ直球、5球目の106キロカーブをファウル。緩急差が45キロもあれば、普通は体を前へ出されるところ。両方とも自分の間合いでスイングしていた。最後はスライダーを仕留めたように追い込まれても崩されない。バッテリーは18・44メートルの距離で、何とか打者のタイミングを外そうと考えて攻める。球速差をつけるのも“奥行き”を使うため。どのボールにも自分のスイングを貫ける高い技術が素晴らしい。

 昨季はケガもあって彼らしくない成績だった。トリプルスリーは過去3度。いままで誰もやっていなかったことを達成し、次の新しい“刺激”を求めていたのでは…。技術的に何か原因があったとは思わない。残留した今季は新たな節目。新キャプテンには自分から高津監督に名乗り出たそうだ。なかなかできない。あえて重責のある立場に自分を追い込み、いい意味でのプレッシャーをかけている。

 グラウンドでの立ち居振る舞いが変わったように映る。闘志をどう表現するかは個性だと思う。喜怒哀楽を表に出す人もいれば、グッと内に込めて燃やす人もいる。千差万別で、それぞれのやり方でいい。周りに目配りし、若手にも積極的に声をかける姿を率直に“いいなあ”と感じた。今年は新しい「山田哲人」を見せてくれそうだ。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2021年2月24日のニュース