東海大相模エース・石田 悔しさ糧に…3度目聖地で成長した姿見せる

[ 2021年2月17日 09:00 ]

<センバツ出場決定・東海大相模>センバツ出場が決まりガッツポーズするエースの石田(前列中央)ら東海大相模ナイン
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 第93回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)の出場32校が1月29日に決まった。東京・関東地区の出場枠は6校で、最後の枠を昨秋、東京都大会準優勝の日大三と関東大会8強の東海大相模(神奈川)で争った。当日は午後3時30分から出場校が発表され、記者は神奈川県相模原市にある東海大相模で“その時”を待った。

 報道陣がカメラを構える前で土井崇司校長は出場を知らせる着信を待った。重い緊張感の中、10分ほど時間が経ち電話は鳴った。フラッシュの中で土井校長は表情を変えず受話器を置いて「間違い電話でした」。校長室に再び電話が鳴ったのはその5分後。土井校長は表情を崩し「ありがたくお受けいたします」。2年連続12度目のセンバツ出場が決まった。

 隣接する野球部のグラウンドで吉報を聞いたエースの石田隼都投手(2年)は「ホッとした気持ちが一番」と安堵(あんど)の表情。プロ注目の最速142キロ左腕にとっては3度目の聖地。昨年のセンバツはコロナ禍で中止となり、夏の甲子園交流試合だった大阪桐蔭戦では先発して7回2失点の好投を見せた。試合は2―4で敗れたが、手応えをつかみ「甲子園を経験した2年生で引っ張り、ここに戻ってきて、優勝できるように頑張りたい」と誓った。

 エースは昨秋、センバツ出場が懸かった関東大会準々決勝の東海大甲府(山梨)戦に先発。8回まで無失点に封じる快投を続けたものの、1―0の9回裏1死一、二塁から2点打を浴び、逆転サヨナラ負けを喫した。あと1歩で甲子園出場当確を逃し「詰めの甘さを実感した。この冬は練習でも最後の一本までやりきることを意識してきた」。悔しさを成長の糧とし、投球フォームは9回を投げ切れるように脱力した形に改良した。

 「甲子園は特別な場所。(2度)出場したことで目に見える目標として意識することができた。不安な気持ちもあったが選ばれる気持ちで練習してきました」と石田。特別な春。成長した姿を見せるための準備は万端だ。(記者コラム・柳内 遼平)

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2021年2月17日のニュース