マー君世代ロッテ・大嶺 甲子園決めた思い出の地で2回零封 ローテ入りに名乗り

[ 2021年2月17日 05:30 ]

練習試合   ロッテ7-0広島 ( 2021年2月16日    コザしんきん )

ロッテ先発の大嶺(撮影・長久保 豊)
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 ロッテ・大嶺祐太投手(32)が16日、広島との練習試合に先発。2回2安打無失点2奪三振で、ローテーション争いに名乗りを上げた。19年1月の右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)から2年、育成契約も経験した右腕は、最速144キロも計測。沖縄・石垣島出身の06年高校生ドラフト1位右腕は、原点ともいえる沖縄の空の下、プロ15年目の復活へ一歩を踏み出した。

  大嶺は思わず苦笑いした。「えっ、ここなんですか?」。コザしんきんスタジアムは、05年秋の九州大会で4強進出を決めるなど甲子園出場につなげた地。そして06年夏の沖縄大会決勝で優勝した場所でもあった。

 八重山商工のエースとして春夏連続甲子園出場。野球人生の大きな起点となる球場だったが、意外なほど記憶は残っていなかった。それもそのはず。沖縄市野球場と呼ばれたその当時は、改修前。大嶺もプロ入り後、15年の時が流れた。

 「昔のイメージも覚えていないし、(新しくなって)ここで投げたのも初めて。全然違うところで投げている感じ。大げさに言うと沖縄でなく、宮崎で投げているような感じ」

 変わらないものがあった。投球スタイルだ。最速151キロを誇り「南海の怪腕」と称された頃のように直球を軸とした。「今年初めての実戦登板だったので、少し力んだけど、真っすぐで押していくというテーマはできたかな」。まだ2月だが、最速144キロを4度も計測。19年1月に手術を受けた右肘の不安も、完全払拭(ふっしょく)した。

 別の記憶は一瞬だけよみがえった。同じ06年の高校生ドラフト1位だったのが楽天・田中将。1年目の07年2月26日、お互いプロ初実戦で先発対決した。「鹿児島での練習試合。覚えています。でも(田中将の復帰を)気にしている余裕はないですよ」。手術からのリハビリに励み、昨年8月に育成から支配下登録へ復帰。2試合に登板したが、ここ3年間は未勝利だけに、ベテランは本音を隠さなかった。

 沖縄での対外試合登板は、実に17年2月25日のヤクルトとのオープン戦以来4年ぶり。

 「自分はそんなに気にしてないが、びっくりするぐらい沖縄の人から連絡があった。あとは結果を出して、その人たちにもっと喜んでもらいたい」

 過去2年、この時期はリハビリに明け暮れていた。今季はローテーション争いができる。競争のスタートラインに立った15年生。これもプロ野球選手の一つの生きざまだ。(横市 勇)

 ≪残り1枠を種市らと争う≫ロッテの今季先発ローテーションは、昨年唯一の2桁10勝を挙げた美馬、最多の21試合に先発した石川、9勝の二木、7勝の小島、岩下の5人がほぼ確定。大嶺は、種市、中村稔、古谷に加え、2年目の佐々木朗、ドラフト1位の鈴木(法大)、育成2年目の左腕・本前らと6番手を争うことになる。

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