ロッテ終戦…沢村、メジャー視野 米球団との交渉に備え代理人と契約

[ 2020年11月16日 05:33 ]

パ・リーグCS   ロッテ4-6ソフトバンク ( 2020年11月15日    ペイペイD )

<CSソ・ロ2>スタンドにあいさつする沢村らロッテナイン(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの沢村拓一投手(32)が、今季取得条件を満たした海外フリーエージェント(FA)権を行使しての今オフの大リーグ移籍を視野に入れていることが15日、分かった。ロッテはこの日、パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS=4試合制)でソフトバンクに2連敗して敗退が決定。巨人から9月にトレードで移籍し、輝きを取り戻した剛腕リリーバーの去就に注目が集まる。

 決勝の1点を失ってから一夜明け、沢村は同じ8回を、わずか7球で完璧に封じた。2死で迎えた中村晃は2、4回に本塁打を放っていたが、この日最速の156キロ直球で平凡な一飛に仕留めた。しかし、チームは2点のビハインドを逆転できず。波瀾(はらん)万丈の20年シーズンを終えた。

 「チャンピオンになることはできなかったけど、毎日、本当に充実していた。今は悔しい気持ちの方が大きい」。そう振り返り、自身の去就については「終わったばかりなので。これから、ゆっくり考えます」と表情を変えず淡々と話した。

 今後熟考する沢村の選択肢に浮上しているのが大リーグ移籍。複数の球界関係者によれば、既に米球団との交渉に備えて代理人と契約したもようだ。

 沢村はプロ入り前からメジャーへの思いがあった。中大から巨人にドラフト1位指名された10年10月。プロ志望届を提出した直後、ヤンキースからオファーがあった。同年12月1日付の本紙インタビューでは、「米国という選択もあったかもしれません」と明かし、ヤ軍を含む米3球団も含めて悩んだ末、最終的に巨人入りを選んだことを明かした。

 球界がコロナ禍で揺れた今季。プロ10年目の自身にとっても激動だった。巨人では13試合に登板し1勝1敗、防御率6・08と不振で3軍落ちも経験。移籍を機に復活し、ロッテではレギュラーシーズン22試合で防御率1・71をマークし、勝ちパターンで「8回の男」の役割を担った。

 150キロ台後半の直球と150キロ前後のスプリットはメジャーの強打者にも有効で、多くの米球団が注目している。海の向こうから関心が寄せられることについても「これから、ゆっくり考えます」と繰り返した右腕。その動向から目が離せない。

 ≪日本ハム・有原、西川はポスティング≫沢村以外では日本ハムの有原、西川も今オフにメジャー移籍を目指す意向。ともに球団にポスティングシステムでの移籍を直訴する可能性が高い。両者とも昨オフから米挑戦の希望を持っていることを公言。チームの今季全日程が終了した9日に有原は「僕自身はそういう気持ちでやってきた」と語り、西川も「その夢は持ち続けている」と明かしていた。

 ◆沢村 拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日生まれ、栃木県栃木市出身の32歳。佐野日大から中大を経て、10年ドラフト1位で巨人入団。プロ1年目の11年にセ・リーグでは44年ぶりとなる新人での投球回200イニングを達成。11勝(5完投)、防御率2.03の好成績で新人王に輝いた。16年に最多セーブを受賞。今年9月7日に交換トレードでロッテ移籍。13年WBC日本代表。1メートル84、102キロ。右投げ右打ち。

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