苫小牧駒大156キロ右腕・伊藤、今季公式戦初登板で11K完封

[ 2020年8月31日 05:30 ]

<旭川大・苫小牧駒大>6安打11K完封で20年初の公式戦を飾った伊藤
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 最速156キロの今秋ドラフト上位候補、苫小牧駒大・伊藤大海(4年、駒大苫小牧出)が20年公式戦に初登板した。秋季リーグ戦初戦に先発し、旭川大を相手に11三振を奪って6安打、146球で完封。チームにとっても20年公式戦初戦(前節不戦勝2勝)を彩る力投だった。31日が23歳の誕生日。続いた“我慢”を糧に、大学ラストシーズンのスタートを切った。

 初回の先頭打者にこの日最速の150キロをマークして、伊藤の「20年」が始まった。6安打を許したが、三塁を踏ませない146球。今年に入ってオープン戦でも9回を投げたことはなく、この日は8、9回と先頭打者に安打を許したとあり、「後半の締め方、感覚が難しいところがあった」と振り返った。

 1年ぶりの公式戦。実戦を通じて自分の引き出しを広げる“らしさ”は、この日も健在だった。課題は、10割でなく8割の力で9回を投げ抜くこと。体と気持ちをセーブしつつ質のいいボールを念頭に置いた。先発に左打者5人の旭川大打線相手に、要所でのスプリットとツーシームも生きた。「左打者に対応できるボールがなかなかなかった。実戦で試していこうと使った」と収穫を口にした。

 31日に、23歳の誕生日を迎える。22歳を「コロナ禍とかもありパッとしない感じ。我慢、我慢が続いた一年」と振り返る。大学選手権、春季リーグ戦中止。実戦機会を奪われ、無念をかみ締めるしかなかったが、伊藤は言う。「それは先につながっていく。これから上の世界に入っていく中で、いいことばかりじゃない、ダメだった時に切り替えて反省していく…となっていくと思う」。技術だけでない。それもまた、苦しい中から学んだこと。大滝敏之監督(66)は「大海が安定した投球をしたのが勝因」とねぎらった。

 エースとしてだけでなく、主将としてもラストシーズンへの思いは強い。「みんなで笑って終われれば。こういう年で、選手一人一人の思いが強い年でもある」。ようやく始まった2020年。リーグ制覇、そして明治神宮大会へ、ラストシーズンを駆け抜ける。(竹内 敦子)

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2020年8月31日のニュース