【92年センバツ第64回大会】ゴジラ芽吹き松井 2打席連発7打点

[ 2020年3月27日 08:30 ]

センバツあの日の記憶~高校野球ファンに贈る~

3回に豪快な3ランを放つ松井
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 ゴジラ伝説の始まりだった。92年3月27日の大会初日。星稜(石川)の“怪物”松井秀喜(元巨人、ヤンキース)が、雨で1日延びた開幕戦で2打席連発7打点と爆発した。

 3回にバックスクリーン右へ3ランを放つと、5回も右中間へ3ラン。9回の適時打を含む4打数4安打で、1試合7打点はPL学園・桑田(元巨人)に並ぶ当時の大会タイ記録だった。驚くのはこの大会から甲子園のラッキーゾーンが撤廃された中での連発。記録に並ばれた桑田(当時は巨人)も「凄いですね。僕の時(84年)はラッキーゾーンがありましたから」と舌を巻くほどだった。

 1、2年時の夏の甲子園では不発だった松井だが、2回戦でも2試合連発。広くなった甲子園で大会本塁打が7本と減る中、一人で3本を放った。翌28日付スポニチ紙面に毎夏「甲子園の詩」を連載する阿久悠氏がセンバツ賛歌を寄せ、春の球児たちを「生命(いのち)の芽」と表現し「大木を思わせる可能性を秘めている」とつづった。その通りに、松井は日米球界の大木に育った。

 ☆第64回大会(92年) 大会前に神戸弘陵が出場辞退。補欠校から繰り上がった育英が8強まで進出した。御殿場西・宇田川が1回戦・東山戦の4回に二盗、三盗、本盗を立て続けに記録。1イニング3盗塁は史上2人目。決勝は3度目の進出となった帝京が、東海大相模を破り春初優勝。18校目の春夏制覇を達成した。ラッキーゾーン撤去で本塁打は前年の18本から7本に激減。ただし、育英・安田がランニング本塁打を記録するなど外野が広くなった影響は大きく三塁打は16本から30本と増加した。

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