甲子園V腕に聞く 先攻後攻どちらが好き? 根尾は後攻、大阪桐蔭&元二刀流らしい理由

[ 2019年5月13日 09:00 ]

中日・根尾
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 昨年4月、当コラムで中日の甲子園優勝投手3人が高校時代、先攻と後攻どちらが好きだったかの記事を書いた。

 横浜高出身で98年春夏連覇を成し遂げた松坂は「先攻、後攻のどっちが好き、苦手とかはないですね」と回答。

 15年夏に東海大相模で全国制覇した小笠原は先攻の場合、攻撃から試合が始まるため「投げるまでに時間がある」として「先攻の方が好き」。

 17年夏に花咲徳栄で甲子園優勝を飾った清水はリリーフエースとして活躍していたこともあり、「僅差だと、絶対にサヨナラの危険がある。だから後攻が良い」と三者三様の答えで高校野球ファンからの反応が多かった。

 あれから1年。中日に新たに甲子園優勝投手が加わった。昨年、大阪桐蔭で春夏連覇を果たしたドラフト1位・根尾昂内野手(19)である。本業は遊撃手だが2年春、3年春と史上初めて2年連続、甲子園の優勝投手に輝いた“元投手”だ。

 だからこそ、聞いてみたかった。高校時代、先攻と後攻どちらが好きだったのか―。「後攻が好きでしたね」と屈託なく笑った。その理由が根尾らしく、思わずうなずいてしまった。

 「初回に味方打線が爆発すると、攻撃の時間が長くなる。だから試合開始時間が25分だとしたら、後攻は先に守備から始まるので25分にすっと投げられる」と強打の大阪桐蔭らしい答えだった。

 そして「打順が中軸を打つことが多かったので、準備もあるし、そわそわする」と続けた。調べると、高3時の甲子園での根尾の打順はすべて5番。仮に走者が1人でも出ると5番打者はネクストバッターズサークルで待機しなければならない。先攻だと登板するまでに打席が回ってくる可能性が高くなる。そういった意味でも後攻で先に投げる方が落ち着けて良かったという“元二刀流”らしい回答だった。

 平成最後の大会となった今年の選抜は中日のお膝元、愛知県の東邦が優勝した。エースでキャプテンの石川昂弥選手は根尾同様、小学生時にNPB12球団ジュニアトーナメントの中日ドラゴンズジュニアに選出されたエリート。高いポテンシャルを持ち、今秋のドラフト上位候補として球団も注視している逸材だ。

 もし来年、石川が中日に入団することがあれば、先攻と後攻どちらが好きだったか尋ねてみたい。(記者コラム・徳原 麗奈)

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2019年5月13日のニュース