DeNA連敗10で止めた!石川2年ぶり弾で平成のうちに大脱出

[ 2019年4月30日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA5―3巨人 ( 2019年4月29日    東京D )

連敗を10で止め、安どの表情を浮かべる三浦コーチ(中央左)、にっこりと笑顔で握手するラミレス監督ら(撮影・木村 揚輔)
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 改元直前に、泥沼から抜け出した。DeNAは29日、巨人に逆転勝ち。2―3で迎えた8回に大和内野手(31)が同点適時打を放ち、1軍に昇格即スタメン出場した石川雄洋内野手(32)が決勝の1号2ランを放った。チームの連敗は10でストップ。この白星が、アレックス・ラミレス監督(44)にとっては球団の歴代監督で歴代5位タイの通算219勝目となった。

 一直線に、打球が右翼席に吸い込まれた。石川が右拳を突き上げる。総立ちの三塁ベンチ。ラミレス監督もガッツポーズした。値千金の決勝2ラン。トンネルを抜け、15日ぶりの勝利のハイタッチに笑顔の花が咲いた。

 「ちょっとできすぎかなと思います。流れを変えたいと思って、前のみんなもつないでくれたので思い切っていきました」。石川はこの日1軍に昇格したばかり。「2番・二塁」で即スタメンに名を連ねた。3、5回にも安打を放って迎えた8回。大和の適時打で同点に追いつき、なお2死一塁から初球の直球を振り抜いた。17年7月5日阪神戦以来、663日ぶりの一発。「あの一本で(連敗を)止められたのはうれしい」と頬を緩めた。

 4年前の12連敗に加え、08年の14連敗も経験している15年目のベテラン。チームの苦境にも気負うことはなかった。「10連敗は過去のこと。僕は今日からなので」。2月の春季キャンプで左ふくらはぎを肉離れ。地道なリハビリ生活を乗り越えた。「自分のできる準備をしていれば、呼ばれたときに結果が出る」と着実に状態を上げ、28日の2軍戦で本塁打。昇格の切符をつかみ取ると、ためていた力を爆発させた。試合前に「起爆剤になれれば」と話していた通りの仕事ぶりだ。

 移籍する16年まで11年間ともに戦った相手先発・山口との対戦成績は6打数2安打。ラミレス監督は「相性もだし、長く一緒にやっていてモチベーションも高く、いいタイミングだと思った」と抜てきの理由を説明し、「素晴らしい仕事をしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。

 指揮官にとっては通算219勝目。権藤博氏に並ぶ歴代球団5位となった。「考えていなかった。その日その日勝つことに集中している」とクールに振り返ったが、メモリアルな一勝を区切りに仕切り直すことができる。「悪い夢からやっと目覚めた。悪い流れが平成の最後に止まり、新しい時代はDeNAベイスターズにとって輝かしい時代になる」。ラミレス監督の言葉に力強さが戻った。(町田 利衣)

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2019年4月30日のニュース