創志学園 153キロ右腕・西は温存 背番号「10」の草加が延長12回を投げ抜く

[ 2019年4月28日 19:16 ]

春季高校野球岡山大会 2回戦   創志学園5―1岡山東商 ( 2019年4月28日    倉敷市営 )

力投する創志学園・草加(右は西)
Photo By スポニチ

 今秋ドラフトの目玉となる最速153キロ右腕・西純矢投手(3年)を登板させることなく、今春初の公式戦を勝ち切った。背番号「10」の草加勝投手(3年)が延長12回を投げ抜き、5安打1失点完投勝利。長沢宏行監督(66)は「草加で行こうと決めていた。彼が中途半端な投球をしているようでは、ウチに夏はないですから」と期待の大きさを口にした。

 回を追うごとに調子を上げた。序盤は得点圏に走者を背負いながら我慢の投球。1―0の5回2死二塁、三塁へのゴロがイレギュラーする不運な適時打で同点を許したが、踏ん張った。「絶対に打ってくれると信じて、自分としては一人一人の打者を抑える仕事をするだけでした」。6回以降、許した安打はわずかに1本。1メートル81の長身から投げ下ろす角度ある直球を軸にカーブで緩急を付け、キレのあるスライダーで的を絞らせなかった。

 西の存在で目立たないが、草加も最速146キロを計測するなど、能力は高い。「普段は仲いいですけど、練習ではライバル。直球に角度を付けることで西とは違うタイプの投手になりたい」と自覚を口にする。「投げたかったです」と苦笑いする西は「自分一人では厳しい。草加の投球を一塁から見ていて、とても嬉しかったし、頼もしいなと思った」とさわやかな笑顔で好投を称えた。

 監督は「西一人のチームだと思われたら負け。仮にもし、それで甲子園に出られても去年のようにすぐに帰ってくるのはイヤですから」と言う。「4番一塁」で起用した西は延長11回の攻撃中、ベンチ前でキャッチボールを始めたが「意地、張りました」とグッとこらえ、草加に試合を託した。今大会は「西は4番、ファーストで行きます」とする。大黒柱を可能な限り投手として起用することなく、全員野球で経験値を高める。チーム力を底上げするための春だ。

続きを表示

2019年4月28日のニュース