【関西大学野球の新星】大商大・森 悠祐投手(広陵)高校ではあと一歩届かなかった頂点“三本柱”の手で

[ 2019年3月22日 13:23 ]

大商大の未来の三本柱だ!伊原(左)、修行(右)との「3人で日本一を獲りたい」と語った森
Photo By スポニチ

 高校ではあと一歩、届かなかった頂点。大学ではそこからの景色を見渡してみせる。大商大の最速149キロ右腕・森悠祐投手は「3年生で中心戦力になって、絶対に日本一になりたい」と力を込めた。

 広陵では2、3年夏の甲子園大会に出場。背番号「11」でベンチ入りした2年時に準優勝を成し遂げた。1学年上の中村奨成(広島)が大会最多記録となる6本塁打を放つなど活躍。チームとしても大きな注目を浴びる中で初戦の中京大中京戦、準々決勝・仙台育英戦、決勝・花咲徳栄戦の3試合に登板した。

 「決勝で投げさせてもらって三振も取れたことはいい経験になりました。準優勝はすごいなとは思いましたけど、自分としては防御率が33点台だったので、悔しい思いの方が強かったです」

 素質の片りんこそ見せたが、3試合合計1回1/3を投げ、5失点。防御率33・75と散々な結果だった。主戦となった翌年は順調に広島大会を勝ち抜き、甲子園に出場。だが初戦で二松学舎大付に敗れた。「(前年)準優勝のプレッシャーはありましたけど、その中で日本一になろうと思ってやってきたので」。7回7安打5失点。結果には満足できないが、悔いは残さなかった。

 昨秋、一時はプロ志望届を出すことも考えた。だが広陵・中井哲之監督の助言もあり、大学進学を決断。恩師と同じ大商大を選択した。

 「中井先生が注意されるのは野球のことはあまりなく、人間性のことばかり。富山監督も人としての礼儀のことが多いです」
 大商大グラウンドには常に張り詰めた空気が漂う。少しでも気の緩みを見せれば、富山陽一監督から容赦ない怒声が飛んでくる。緊張感あふれる環境でも「高校でも厳しい環境の中、緊張感を持ってやってきたので」と気後れはない。

 同期で甲子園に出場した投手には伊原陵人(智弁学園)、修行恵大(大垣日大)がいる。監督も「近い将来の3本柱」と期待する逸材達だ。伊原は「チームのために、日本一に貢献したい。切磋琢磨(せっさたくま)して頑張りたい」と胸を張り、修行も「目標は日本一です」と力強く言う。森は「3人で日本一を獲りたい」と一丸を強調した。

 広島市東区出身。広陵では寮生活だったが、一人暮らしは初めての経験だ。高校では携帯電話禁止だったため、最近になって再契約。自室で大好きなNBA・ウォリア―ズのステフィン・カリーの映像を見ることが息抜きとなっている。大学4年間で実力を磨き、さらに上の世界へ。視線はどこまでも上を向いている。

続きを表示

2019年3月22日のニュース