広島 野村 万全な仕上がり 緒方監督「キレキレだったね」

[ 2019年2月26日 05:30 ]

練習試合   広島1―4楽天 ( 2019年2月25日    コザしんきん )

先発の野村は3回を投げ無失点に抑える(撮影・奥 調)
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 広島・野村祐輔投手(29)は25日、楽天との練習試合(コザしんきん)で3回を被安打1、4奪三振で無失点に抑える貫禄の投球内容を披露した。新加入の浅村、ブラッシュら主力が並んだ楽天打線に主導権を与えることなく圧倒した。

 「早いカウントからゴロを打たせられた。全部の球種がコントロールよくストライク先行になってよかった」

 打者11人中、三振以外全てでゴロを打たせたのは、思い通りに打者を翻弄(ほんろう)した証し。最速は140キロながら、抜群だったチェンジアップを武器に緩急自在に操った。

 3回無失点で奪三振は4つ。例えば、初回先頭の田中をチェンジアップで空振り三振に仕留めたかと思えば、2回1死無走者でのブラッシュへの空振り三振は、内角への直球で決めた。3回2死から田中に許したこの日唯一の安打も、一塁のタイミングが際どかった遊撃への内野安打で、ほぼ完璧な内容だった。

 これには緒方監督は「キレキレだったね。ビックリした」とうなずくしかない。佐々岡投手コーチも「結果と内容を出してくれて安心する」と評価した。

 昨オフ、楽天にトレード移籍した1学年先輩の福井との投げ合う特別な一日だった。ともに大卒ドラ1。昨季は、同時に2軍生活を送る苦しい時期も分かち合った。「かわいがってもらった先輩なのでうれしかったです」。お互いに3回無失点と譲らず、登板後にはベンチ裏ではち合わせて笑顔でたたえ合った。

 自身初の開幕投手を務めた昨季は、屈辱も味わった。背中の筋挫傷などで約2カ月離脱するなど、20試合で7勝6敗、防御率4・22。本領とはいかず、日本シリーズでは先発4番手にまで下がった。

 「去年の悔しさもある。1年間やり抜くことが大事なので」

 昨春と立場は変わり、開幕ローテーション入りは確約されていない。雪辱への思いは、万全の調整にあらわれている。

(河合 洋介)

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2019年2月26日のニュース